2016年11月30日水曜日

公開シンポジウム イエス時代のガリラヤ地方と一神教の系譜を探る

公開シンポジウム

イエス時代のガリラヤ地方と一神教の系譜を探る
―イスラエル、テル・レヘシュ遺跡における最初期シナゴーグの発見―

2016年12月17日(土)
13:30-16:40(開場13:00)

天理大学杣之内キャンパス 
2号棟4階 24A教室
(入場無料・先着順)

13:30-13:40
開会挨拶・趣旨説明 
桑原久男(天理大学)

13:40-14:10
テル・レヘシュにおける初期シナゴーグの発見
橋本英将(天理大学)

14:10-15:00
新約聖書時代の初期シナゴーグ
山野貴彦(聖公会神学院)

15:00-15:10
休憩

15:10-16:00
一神教の成立とガリラヤ地域
市川裕(東京大学)

16:00-16:40
シンポジウム 初期シナゴーグの新事例発見の意義
司会:桑原久男・山内紀嗣(天理大学)
コメント:月本昭男(上智大学)




2016年10月29日土曜日

東欧ユダヤ音楽・クレズマー演奏会「シャガールが愛した、故郷の旋律」

東欧ユダヤ音楽・クレズマー演奏会「シャガールが愛した、故郷の旋律」Vol.10 特別編

2016年11月17日(木)18:00~(17:30開場) 
東京・両国 シアターX(カイ) 
http://www.theaterx.jp/access.php

参加費¥1,000 高校生以下¥500

出演:
オルケステル・ドレイデル Orkester Dreydel
   樋上千寿=Cl.アンナ・グラデュコヴァ=Vl. 三代真理子=Acc. 松本みさこ=Acc. 高橋延吉=Ds.
ゲスト出演:
 アラン・バーン=Acc.&Pf.
 マーク・コヴナツキー=Vl.

18世紀からホロコースト(第2次世界大戦中のユダヤ人大量虐殺)前夜まで、東欧のユダヤ人共同体での結婚式で演奏されていたクレズマー音楽、そして東欧ユダヤ人固有の言語「イディッシュ」で謡われた民謡を、文化史的な背景説明を交えて生演奏で紹介する「オルケステル・ドレイデル」のレクチャー&コンサートです。
シリーズ第10回は、現代クレズマーの巨匠アラン・バーン博士と、俊英ヴァイオリニスト、マーク・コヴナツキー氏を迎えての「特別編」です。正真正銘、「本物のクレズマー」をこの機会にぜひご堪能ください!!

オルケステル・ドレイデルHP
http://dreydel.blog.jp/archives/66753909.html

2016年9月29日木曜日

日本ユダヤ学会第13回学術大会

日本ユダヤ学会 第13回学術大会

2016年10月29日(土) 13:30−17:30
学習院女子大学 2号館 237教室
 (注意)入構の際には、正門(明治通り)もしくは北門(諏訪通り)の受付で氏名を書き、必ず入構証をもらってください。

13:30~14:00 阿部望(獨協大学)
「死海文書(4QMMTとダマスコ文書)の律法解釈観点からの再考」
ユダヤ教各宗派の思想特徴と宗派分裂の原因は律法解釈の相違にある。そこで死海文書に関しても、ユダヤ教各宗派との律法解釈比較が活発になされるべきであるが、『ミシュナー』や『トセフタ』などのユダヤ教古典の編集年代が紀元3世紀であるため、紀元前に書かれた死海文書との比較がなおざりにされてきた。本発表では、ユダヤ教古典と死海文書内の律法解釈の重複点と相違点を整理して、新たな研究方法を提示する。(司会:市川裕)
14:00-14:15  質疑応答

14:15~14:45 神田愛子(同志社大学大学院)
「マイモニデスにおける法の意義と目的――『迷える者の手引き』III:27を中心にして」
マイモニデスは『迷える者の手引き』第三部27章において、法は人間の魂と身体の福利を目的としており、すなわち、神に関する正しい見解を得、悪行を正し、社会的に有益な行いに繋げることが法全体の目的であると論じている。マイモニデスの思想を理解するためには、彼の法に対する基本的な見解について理解する必要がある。本発表では、学知と実践を繋ぐ前提としての、マイモニデスにおける法の意義と目的について考察する。(司会:市川裕)
14:45-15:00 質疑応答


15:00~15:30 青木良華(東京大学大学院)
「イスラエル・サランターとその思想的背景と系譜」
19世紀東欧のユダヤ教正統派の中で起った「倫理復興運動」=ムーサル運動の創始者とされるイスラエル・サランター(1810-83)の紹介を行う。サランターは当時ユダヤ人同胞の間に起った道徳的な堕落や、トーラーの知識と信仰の間に生じた溝を問題視した。そして「神への畏れ」や「来る世の罰」といったユダヤ教の倫理的な要素を重視し 、そうしたテーマを扱った文献(=ムーサル文学)の学習を推奨した。今回の発表では、サランターの基本的な考え方や活動について、当時の東欧ユダヤ人が置かれた歴史的・社会的状況等をふまえて考察する。(司会:高尾千津子)
15:30-15:45 質疑応答

15:45~16:00 休憩

16:00~16:30 三代真理子(東京藝術大学)
「現代におけるクレズマー音楽の伝承」
十六世紀頃から中東欧ユダヤ人社会で活動した楽師クレズメルの音楽伝統は二十世紀半ばに断絶したが、1970年代末からのリバイバル現象によってクレズマー音楽としてよみがえった。本発表はリバイバリストたちを含む現代クレズマー音楽家たちが二十世紀前半の録音や楽譜資料をいかに用い、理解し、演奏に反映しているのかという観点から、クレズマー音楽の伝承について述べる。考察は音楽家たちの考え方とレパートリー、演奏様式について行う。(司会:黒田晴之)
16:30-16:45 質疑応答
16:45~17:15 川端美都子(香川大学)
 「ブエノス・アイレス市における若者ユダヤ・アイデンティティの『パッケージ化』と多様化する『クレズマー音楽』
ブエノス・アイレス市でハイブリッド化したクレズマー音楽を演奏する若者ユダヤ・ミュージシャンの活動に焦点を当て、「若者ユダヤ」というアイデンティティが「パッケージ化」される過程を考察する。同所におけるフィールドワークと、ユダヤ団体の文化プログラム長、市政府の文化担当者、若者ミュージシャンたちへのインタビューに基づき、それぞれのセクターが、若者ユダヤ・アイデンティティやクレズマー音楽という「協働・投資」に見出す文化・社会・経済的価値について明らかにしたい。(司会:黒田晴之)
17:15-17:30 質疑応答


2016年9月17日土曜日

ヨナタン・メイール教授講演会

ヨナタン・メイールJonatan Meir教授講演会

ユダヤ教における聖人伝と大衆神秘主義運動の興隆について
(Hagiography and the Rise of Jewish Popular Mystical Movements)

日時:2016年10月6日(木) 15:00-17:30
場所:東京大学本郷キャンパス法文一号館219教室
(講演は英語で行われます。)

内容:本講演では、18、19世紀に復興を遂げた近代ユダヤ教の聖人伝文学を批判的に分析する。敬虔主義、神秘主義運動であるハシディズムによって引き起こされた社会変化と教義の変化の文脈の中に、これらの文学を位置づけることが目的である。
ハシディズム研究の多くは、その歴史、および教義の側面に焦点を当てている。これらの点は、ハシディズムの中心であるツァディーク(義なる人、あるいは聖人の意。ハシディズムにおける宗教的指導者の呼称。)の運動と発展を形作ってきた要素として重要である。一方で、同様に彼らの運動を促進してきた文学の分野については、ほとんど注目されていない。

今回、聖人伝文学を新たな観点から見直すことによって、宗教指導者の新たなモデルをいかに作ってきたか、近代に向けて独自の保守的路線をいかに提示してきたかを明らかにする。

講演者紹介:ヨナタン・メイール Jonatan Meir
ベングリオン大学(ネゲブ)教授。近代ユダヤ思想を専門とし、東欧ユダヤ史、ユダヤ神秘主義、ユダヤ啓蒙主義、現代カバラーなど幅広い研究を行う。最近の著書に、『想像のハシディズム:ヨセフ・パールによる反ハシディズム文学』(2013)、『文学におけるハシディズム:ミハエル・レヴィ・ロドキンソンの生涯と作品』(2016)、『エルサレムのカバリスト団体:1896-1948』(2016)などがある。

2016年9月2日金曜日

セミナー「ユダヤ聖人伝入門」

セミナー「ユダヤ聖人伝入門」
講師:Jonatan Meir 教授(Ben Gurion University of the Negev, Israel)

ユダヤ教の厳格な一神教としての一側面を強調しがちな研究の伝統のなかでは、キリスト教の聖人信仰に比するべきユダヤ教の興味深い側面は、これまでさほど顧みられてきませんでした。中世以降、主として民衆の間に広まった「聖人」のモティーフは、後にハシディズムが「ツァディク」という独特の形象を形作る下地となっていきます。これらの「聖人」伝承に関わる主要文献を読み解いていくことで、ユダヤ教・ユダヤ文化を従来とは異なった視点から理解する手掛かりにしたいと考えています。

部分参加も歓迎いたします。皆様のお越しをお待ちしております。
主催:京都大学 人間・環境学研究科 特定研究員 向井 直己

■日時:2016年9月28日~9月30日
   10:00~16:30 (途中、昼食を含めて2回ほど休憩を挟みます)

■場所:京都大学 吉田南キャンパス 吉田南2号館 403号室

■講師:Jonatan Meir 教授(Ben Gurion University of the Negev, Israel)

■使用言語:ヘブライ語(※部分的にイディッシュ語テクストを取り扱います)

■参加費:無料

■主要講読テクスト
9/28:Ma'assebuch, Stories 158-179
9/29:Shivhei ha-Ari' printed edition
9/30:Shivhei ha-Besht, First edition

2016年6月24日金曜日

研究会:Carsten Wilke氏講演会

ヨーロッパ・ユダヤ史における「東」と「西」
日時:2016年7月8日(金)、10:30-12:00
場所:京都大学人文科学研究所セミナー室1

報告
Carsten Wilke (Central European University, Budapest)
"Propagators and Refugees of German Jewish Modernity: Westbound and Eastbound Emigration of Rabbis during the 19th Century",

コメント:向井直己(京都大学)

司会:篠原琢(東京外国語大学)
(使用言語は英語です)
主催:
東京外国語大学「境界地域の歴史的経験から再考するヨーロッパ史概念」(日本学術振興会「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」)
京都大学人文科学研究所「現代/世界とは何か?」研究班

帝国とユダヤ人史
日時:2016年7月16日(土)、15:30-18:30
場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム4

報告
Carsten Wilke (Central European University, Budapest)
"Empire and Citizenship: The Emancipation of the Jews in the Multi-Ethnic Monarchy of the Habsburgs"

コメント:野村真理(金沢大学)、鶴見太郎(東京大学)

司会:篠原琢(東京外国語大学)

(使用言語は英語です)
18号館は、正門から入って、時計台の向こう側に見える白くて新しい駒場で一番背の高い建物です。当日は土曜日のため、18号館は施錠されています。
15時10分ごろに開場し、15時30までにおいでの場合、入り口で関係者がご案内します。それ以降に来られた方は、入り口の電話で内線48763をダイヤルして会議室を呼び出してください。

主催:
「境界地域の歴史的経験から再考するヨーロッパ史概念」(日本学術振興会「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」、東京外国語大学)

2016年6月20日月曜日

京都ユダヤ思想第7号(2016)

京都ユダヤ思想
第7号(2016)

巻頭言
武藤 慎一  ヘブライ性、ユダヤ性、アラム性、キリスト教性  1

論文
志田 雅宏  ナフマニデスと『セフェル・イェツィラー』  7
田中 直美  F・ローゼンツヴァイクにおけるユダヤ性(Judentum)の〈復元〉と翻訳の課題について―『イェフダ・ハレヴィ』のあとがきの検討を中心に―  36
吉野 斉志  死と復活の意味―アグノンとレヴィナス―  58

大会報告
第8回学術大会シンポジウム
マルティン・ブーバー、非類型的思考の行方―没後50周年を記念して― 85

記念シンポジウム1 「生きる思想としてのブーバー」
基調講演 マルティン・ブーバー、非類型的思考の行方 ―没後50周年を記念して 小野 文生 86
提題1 ブーバーと私―ブーバーの聖書解釈を通して 勝村 弘也 126
提題2 バルト「神の名」論と親鸞「本願名号」論―「宗教の真実」の差異性と応答性、ブーバー「根元語」思索を介しての一考察― 高田 信良 138
提題3 私が出会ったマルチン・ブーバーとその周辺の人々 手島 佑郎 158

書評
丸山 空大  佐藤 貴史著『ドイツ・ユダヤ思想の光芒 170

その他

ユダヤ学特別セミナー:Shinichi Yamamoto(山本伸一) & Ber Kotlerman

<ユダヤ学特別セミナー開催のお知らせ>
A Special Seminar of Jewish Studies (at the University of Tokyo)

6月11日と12日に開催されたシンポジウム「ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡」のために来日されたバル=イラン大学(イスラエル)の二人のユダヤ研究者をお招きし、それぞれの専門分野(シャブタイ派/イディッシュ文学)に関する特別セミナーを開催いたします。

【日時】6月22日15時~18時
【場所】東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム4(※以前の案内の部屋の隣に変更になっています)

June 22, 2016
15:00-18:00
Bldg. 18, 4th Floor, Room 4
Komaba Campus, the University of Tokyo

➀15:00~16:30
The Beginning of Sabbatean Literature: From Communal Affairs to Tragedy in Jewish History (Shinichi Yamamoto, Bar-Ilan University[日本学術振興会海外特別研究員])

②16:30~18:00
The Russo-Japanese War in Sholem Aleichem's Writing (Ber Kotlerman, Bar-Ilan University)

*All lectures will be in English (No interpretation)

いずれも英語による講演(通訳なし)
【参加】自由・無料(事前申し込み不要)

【アクセス】http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_17_j.html
駒場東大前駅東大口(渋谷寄り)下車、正門から入り時計台(1号館)の向こう側に見える白くて新しい、駒場で一番背の高い建物です。駅ホームから最短で5分ほどかかります。

【主催】文部科学省科学研究費 基盤(B):「ユダヤ自治」再考――アシュケナージ文化圏の自律的特性に関する学際的研究(研究課題:26284115、研究代表者:赤尾光春)

【講演者プロフィール】
・山本伸一(Shinichi Yamamoto):日本学術振興会海外特別研究員(バル・イラン大学)。シャブタイ派、カバラー、メシアニズム。主要業績:『総説カバラー――ユダヤ神秘主義の真相と歴史』(原書房、2015年)

・ベル・コトレルマン(Ber Kotlerman):バル・イラン大学(イスラエル)准教授。東欧ユダヤ文化、イディッシュ文学。主要業績:Disenchanted Tailor in “Illusion”: Sholem Aleichem behind the Scenes of Early Jewish Cinema (Bloomington, 2014)/The Cultural World of Soviet Jewry (Raanana, 2014)/In Search of Milk and Honey: The Theater of ‘Soviet Jewish Statehood’ (Bloomington, 2009).

2016年6月16日木曜日

宗教史研究会第63回研究会

宗教史研究会
第63回研究会

2016 年 6 月 18 日(土) 13:00-18:00
東洋英和女学院大学大学院 201教室

プログラム
12:30 受付開始

13:00-14:30 発表 1 丸山 大介(防衛大学校准教授)
「スーフィズムにおける媒介-スーダンのタリーカ(スーフィー教団)とサラフィー主義者との
議論を事例として-」

<概要> スーフィー教団(タリーカ)の師は、その宗教的知識はもとより、奇跡の発現などを通
じて、民衆の崇敬対象となってきた。こうした聖者崇敬は、イスラームにおいて、神と人との媒
介という概念を考える上で欠かすことのできない研究対象である。本発表は、スーダンのスー
フィー教団による「媒介者」としての聖者の正当性をめぐる主張と、それに対するサラフィー主
義者の批判を題材に、スーフィズムにおいて神と人との「媒介」という概念がなぜ重要視されて
いるのかを明らかにしたい。

14:30-14:40 休憩

14:40-16:10 発表 2 小堀 馨子(帝京科学大学准教授)
「古代ギリシアの霊媒-デルポイの神託に対する古代ローマ人の態度」

<概要> 古代地中海世界において近代西欧から古典古代と見做されたギリシア・ローマ世界
にも、目に見えない霊的存在と交流を行う霊媒は存在した。その中で最も有名なものはデルポ
イの神託である。古典期ギリシアにおいて、デルポイはアテナイを含めた各地の都市国家から
尊崇を集め、神託の内容は国家の意思決定の指針となるほどの権威があった。同時期に国家
の黎明期にあったローマ人もこの神託を折りに触れて利用していた。しかし、第二次ポエニ戦
争期を最後にローマ人は国家レベルでの神託を用いなくなる。その理由は現時点では二点ほ
ど考えられる。一点目は神託所を媒介にせずともギリシア世界と直接交渉できるようになったこ
と、二点目は古代ローマには神託の代替となるような国家的卜占の手段が複数存在したことで
ある。このような社会背景を元に、神託について哲学の立場から多面的に論じているキケロの
『卜占論』を取り上げ、ローマの知識人の神託や霊媒といった存在に対する態度を検討する。
上記二点の理由の他にローマが神託を重んじなくなる原因があるのか、神託に対するローマ
の態度がヘレニズム世界全体の動向とどのように関連しているかについては更なる検討を要
するであろう。

16:10-16:20 参加者自己紹介
16:20-16:30 休憩

16:30-18:00 発表 3 福 寛美(法政大学沖縄文化研究所兼任所員)
「少年達のシャーマニズム<可視と不可視の境界世界>」

<概要> 奄美にはユタと呼ばれるシャーマンがいる。彼らは幼少時から霊的感受性が強く、や
がてユタになるべき生まれであることを認識し、修業を重ねて成巫する。東京と奄美を行き来し
ながらユタや霊能者として活動する円聖修氏もユタである。円氏について特筆すべきことは、
円氏が少年だった時、同じ高校に霊能の高い少年達がおり、3少年で霊的な冒険を繰り広げ
た、ということである。霊能が高く、不可知の世界を知覚する少年は往々にして孤独になり、異
端視される場合も多いが、円氏は孤独になることなく、3少年の1人として奄美で青春を謳歌し
た。そのような奄美3少年のこと、そして可視と不可視の境界世界について考察してみたい。

勝又悦子/勝又直也『生きるユダヤ教-カタチにならないものの強さ』

勝又悦子/勝又直也
『生きるユダヤ教-カタチにならないものの強さ』
(教文館、2016年)

歴史の中で幾度も存亡の機を乗り越えてきたユダヤ人。彼らを支えたユダヤ教の教えや発想法から、この世を力強く生き抜く知恵を体得する! 歴史・実践の基礎知識を押さえつつ、賢者たちの生涯に触れ、聖典や典礼詩のテクストを実際に味わうことで、奥深いユダヤ教の諸相を学ぶ新しい入門書!

【目次】

第1章 ユダヤ教とは・ユダヤ教の歴史
第2章 ユダヤ教のエッセンス 唯一の神・二つのトーラー・多数の人間
第3章 ユダヤ教の実践生活
第4章 ユダヤ教の人物
第5章 ユダヤ教の書物
第6章 ピユートの世界

教文館HP
http://www.kyobunkwan.co.jp/publishing/archives/17814

2016年5月28日土曜日

E・ホフマン教授講演会:アシュケナジ系ユダヤ文化における情動について

エドワード・ホフマン教授特別講演会

アシュケナジ系ユダヤ文化における情動について
Emotion in Ashkenazi Jewish Culture

2016年5月30日(月) 15:00-16:30
東京大学本郷キャンパス法文一号館117教室

内容
アシュケナジ系のユダヤ人はしばしば、団結力があり、また強い影響力を持つ民族的・宗教的集団として捉えられる。A・アドラー、N・ボーア、H・グレブズなど広範囲の分野に先駆者を輩出している文化的背景のうち、今回は「情動」に焦点を当てて、いかに個人や社会関係における精神的基盤を形成しているかをお話しいただきます。

講演者紹介
エドワード・ホフマン Edward Hoffman
ニューヨークのイェシヴァ大学客員教授。A・アドラーやA・マズローなど心理学の広い範囲をカバーする一方で、ユダヤ教と心理学の関係についても多面的に取り組んでいる。

*本講演会は東京大学人文社会系研究科宗教学研究室にて開講されている「ユダヤ思想研究ゼミ」(市川裕教授)の一環としておこなわれますが、どなたでも無料で自由に聴講することができます。

2016年5月20日金曜日

シンポジウム「ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡」

シンポジウム「ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡」

2016年6月11日(土):14:00~18:30/12日(日):9:30-18:30
専修大学神田キャンパス2号館204号室

【概要】 中世から近代にかけて中東欧及びロシアに跨る地域に移住したユダヤ人は、地理的分散と文化的同質性を併せもった独自の共同体を発達させ、領土的な「独立」(Independence)とは別の水準で自治的社会を形成してきた。本シンポジウムは、このアシュケナージ・ユダヤ社会をめぐる近代史を共同体の「自治」(Autonomy)という位相から捉え直すことにより、国民国家への包摂と排除のモデルでは捉え切れないその自律的特性に着目しつつ、居住先の諸国家との葛藤に満ちた諸関係に光を当てる。

【プログラム】

《11日(土)》

開会の辞14:00~14:10

Ⅰ.共同体の再編と「異端」論争(14:10~16:10)

➀「「ユダヤ自治」の現実性と潜在性――「四邦評議会」末期の活動から」(向井直己)
②「後期シャブタイ派とユダヤ人社会の分断」(山本伸一)
Ⅱ.近代ドイツにおけるユダヤ法と反ユダヤ主義(16:30~18:30)

③「世俗法と宗教法のあいだ――メンデルスゾーンの儀礼法理解を中心に」(後藤正英)
④「ユダヤ法研究と反ユダヤ主義――ヴェルナー・ゾンバルトを例に」(恒木健太郎)
———————–

《12日(日)》

Ⅲ. ロシア・ユダヤ人の生成と変容(9:30~12:30)

⑤「帝政ロシアとユダヤ人自治機構(カハル)」(高尾千津子)
⑥「自伝と自律――ユダヤ啓蒙主義からヘブライ文化ルネサンスへ」(赤尾光春)
⑦「自律と他律の間――帝国崩壊後のロシア・ユダヤ人」(鶴見太郎)
Ⅳ.文化自治の模索と破局(13:30~16:30)

⑧「文化自治の最後の灯火――戦間期ポーランドのユダヤ人学校」(西村木綿)
⑨「リンゲルブルムとポーランド・ユダヤ史」(宮崎悠)
⑩「正義と不正義の境界――ナチ支配下ウィーンのユダヤ・ゲマインデ」(野村真理)
———————————————————–

*特別講演(16:45~17:45)英語(通訳なし)

“Soviet Yiddish Literature as an Amplifier of Soviet Jewish
‘Statehood”: Mythopoesis and Politics”(Ber Kotlerman)

「ソビエト・ユダヤ「国家/州」の増幅器としてのソ連イディッシュ文学――神話形成とポリティクス」(ベル・コトレルマン)

神戸・ユダヤ文化研究会HPにて詳細あり
http://jjsk.jp/news/2016/05/20/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%80%8C%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E4%BA%BA%E3%81%A8%E8%87%AA%E6%B2%BB%E2%80%95%E2%80%95%E4%B8%AD%E6%9D%B1%E6%AC%A7%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B7/


2016年5月1日日曜日

日本ユダヤ学会2016年度公開シンポジウム

日本ユダヤ学会
2016年公開シンポジウム
「ロシア系ユダヤ人」の現在

日時 5月28日(土) 14:00-17:50
会場 学習院女子大学 2号館 235教室
※本年度より学会の拠点が学習院女子大学に移転しました。

概要:ソ連崩壊から四半世紀を経て、「ロシア系ユダヤ人」を取り巻く状況はいかに変化したのだろうか。ロシアとイスラエルの現状に焦点をあて、錯綜する〈ロシア系ユダヤ人の現在〉を考える。

14:00-14:10 趣旨説明:鶴見太郎(東京大学大学院総合文化研究科准教授)

14:10-14:50 高尾千津子(東京医科歯科大学教養部教授)
「変容するロシア・ユダヤ人の歴史像――<ユダヤ博物館>にみるユダヤ人の歴史と記憶」

14:50-15:30 赤尾光春 (大阪大学文学研究科招聘研究員)
「プーチン、オリガルヒ(新興財閥)、「宮廷ラビ」――ソ連崩壊後のロシア政治におけるユダヤ・ファクターの変遷」

15:30-16:10 鶴見太郎
「イスラエルの旧ソ連系ユダヤ人と政治社会」

16:10-16:30 休憩
16:30-17:50 討議


司会 野村真理(金沢大学人間社会研究域教授)

2016年4月27日水曜日

京都ユダヤ思想学会2016年度学術大会

京都ユダヤ思想学会
2016年度学術大会

2016年6月19日(日)13:00-17:20
同志社大学烏丸キャンパス志高館

シンポジウム「聖戦と十字軍 ―現代・歴史・一神教が交差するところ―」
基調講演者:山内進(一橋大学名誉教授/西洋法制史)

コメンテーター:合田正人(明治大学教授/西洋思想史)
            小原克博(同志社大学神学部教授/キリスト教神学)
            中田考(同志社大学客員教授/イスラーム学)
            勝村弘也(神戸松蔭女子学院大学名誉教授/旧約学)

司会:手島勲矢(日本学術会議連携会員/ユダヤ教文献学)

〈企画趣旨〉 ニューヨーク、ボストン、パリ、アンカラ、ベイルート、エルサレムなど世界中で、主にイスラーム過激派による無差別テロ事件が勃発しています。それは、西欧諸国およびロシアのシリア空爆やイスラエルのガザ空爆などの国家暴力とも切り離せない出来事でありながら、同時に一神教の信仰や記憶などとも無関係でないことは、テロリストの声明文などからも明らかであるかと思います。2016年度大会シンポジウムでは、その暴力の連鎖の背後で繰り返し使われる「聖戦」「十字軍」という言葉に含まれる意味に注目し、そこからイスラームと西欧の関係、および信仰と暴力の関係について、≪現代思想≫、≪歴史研究≫、≪一神教神学≫という三つの文脈の視点を交差させながら、その概念的背景やそこから派生する諸問題の発掘を試みたいと思います。基調講演者には我が国における十字軍研究の第一人者、山内進氏(一橋大学名誉教授・西洋法制史)をお招きし、コメンテーターには合田正人氏(明治大学教授・西洋思想史)、小原克博氏(同志社大学神学部教授・キリスト教神学)、中田考氏(同志社大学客員教授・イスラーム学)、勝村弘也氏(神戸松蔭女子学院大学名誉教授・旧約学)をお迎えします。聖戦と十字軍の歴史的な実像から、現代にまで続く一神教の伝統と記憶の政治的な意義まで、各氏それぞれの学問的な知見をより合わせながら、自由闊達な議論と学術的対話の場が生まれることを目指します。ご期待ください。 (一般公開・参加費無料)


2016年3月5日土曜日

『京都ユダヤ思想』第6号(2016)

『京都ユダヤ思想』 第6号(2016)

巻頭言 
氣田雅子 ハンス・ヨナスにおける宗教と非宗教の間  1

論文
馬場智一 全体性の彼方へ―コーヘン、ゴルディーン、レヴィナス―  4
上原潔  「アウシュヴィッツ以降の神概念」に応答するキリスト者の声
        ―ハンス・ヨナスとエバハルト・ユンゲルにおける「神の全能性」の問題― 35

第七回学術大会シンポジウム(2014年6月21日)
アウシュヴィッツ以後の「ユダヤ的なるもの」
Das Judentum nach Auschwitz

講演
品川哲彦 内在と超越―ハンス・ヨナス哲学の展開  62

コメント
芦名定道 現代キリスト教思想とユダヤ的なもの  88
石崎嘉彦 アウシュヴィッツ以後「哲学すること」の意味について  94
島薗進  科学技術の破局的展開に抗するユダヤ思想  101
村岡晋一 アウシュヴィッツ以後の言語の問題  109

特別寄稿
合田正人 ハンス・ヨナスの生命哲学と心身問題  125

書評
ヒラリー・パトナム『導きとしてのユダヤ哲学』(評:渡名喜庸哲)  144


2016年1月16日土曜日

アミール・アシュール氏研究会

2016年 アミール・アシュール氏(Dr. Amir Ashur, テルアビブ大学) 研究会(東京大学)

1.講演会:「The Cairo Geniza as a source for Medieval Jewish and Mediterranean History」,
    2016年1月27日(水)、午後5:00~7:00、東大本郷キャンパス、法文219番教室(予定)

2.セミナー:「How to read and identify Jewish legal contracts from the Geniza」
  (いかにしてゲニザ文書中のユダヤ法に基づく契約書を読み解き、同定するか)
  2016年1月29日(金)、午後1:00~6:00、東大本郷キャンパス、法文219番教室(予定)

3.シンポジウム:「ユダヤ的共同体の萌芽と中世における展開」
  2016年1月30日(土)、10:30~18:00、東大駒場キャンパス、5号館523室

研究会報告書(PDF)