2026年8月7日金曜日

CISMORユダヤ学研究会 ユダヤ学におけるアーカイブ構築の現状と問題点

CISMORユダヤ学研究会 

ユダヤ学におけるアーカイブ構築の現状と問題点

日時
2026年8月29日 (土) 14:00-16:30

場所
同志社大学今出川キャンパス 至誠館3階会議室(zoom併用)

講師
屋山久美子(ヘブライ大学准教授、ユダヤ音楽研究)
嶋田英晴(國學院大學非常勤講師、ゲニザ文書研究)
勝又悦子(同志社大学神学部教授、ラビ・ユダヤ教研究)
宮川創(筑波大学准教授、コプト学・デジタル人文学)

要旨
デジタル人文学(DH)が隆盛を極める中、ユダヤ学も例外ではありません。むしろ、Walking Databaseともいえる賢者とともに発展したユダヤ教伝統は、聖典解釈や注釈においてDHを先んじていたとも言えるでしょう。本研究会では、ユダヤ音楽、ゲニザ写本、ラビ文献におけるアーカイブ構築における現状と諸問題について報告し、コプト学研究、DHを牽引する宮川氏に総括していただきます。

参加申し込みはCISMORのホームページより
リンクはこちら



2026年6月6日土曜日

日本ユダヤ学会2026年度シンポジウム「中世一神教徒の共生-カイロ・ゲニザから知られる世界」

 日本ユダヤ学会2026年度シンポジウム

「中世一神教徒の共生-カイロ・ゲニザから知られる世界」

日時:2026年7月4日(土)
会場:学習院大学 目白キャンパス 東2号館13階およびオンライン(Teams)

プログラム

14:00 開会の辞 市川裕(本会理事長、東京大学)

14:10-15:00 嶋田英晴(同志社大学)
「カイロ・ゲニザとユダヤ商人の移動性」

19世紀末に旧カイロで発見された「カイロ・ゲニザ」(ゲニザ文書)は、ディアスポラ(離散)のユダヤ史の分野に限っても、見えないその歴史に明確な輪郭を与えた。しかし、ゲニザ文書の有用性はそのことに留まらない。その後もゲニザ文書に基づく歴史研究は今日に至るまで連綿と続けられており、イスラームの社会経済史やグローバルヒストリーに至るまで大きく貢献している。そこで本発表では、ゲニザ文書とは何かについて概観し、それが誰によってどのように研究されてきたかについて簡単に解説する。そのうえで、西はアンダルスから東はインドまでの広い範囲に渡って活動していたユダヤ商人たちの活動地域や移動経路についてゲニザ文書から考察する。最後に、ユダヤ商人たちが、ユダヤを含む少数派に対しても寛容な政策を施行する王朝において活発に活動し、またそうした地域に移住することが持つ意味について改めて考察する。
(報告40分、質疑10分)

15:10-15:50 野口舞子(信州大学)
「ムワッヒド朝におけるユダヤ人政策とカイロ・ゲニザ」

 イスラーム支配下のユダヤ人共同体は、ズィンミー制度のもとで信仰と一定の自治を認められていた。西方イスラーム世界では、後ウマイヤ朝からターイファ期にかけてユダヤ人共同体が発展したとされるが、12世紀にムワッヒド朝(1130-1269年)が成立すると状況は変化し、とりわけその統治下では衰退に向かったと理解されてきた。著名なユダヤ人哲学者マイモニデス(1204年没)がエジプトへ移住したことは、その象徴的事例として知られている。本報告では、まずムワッヒド朝期のズィンミー政策について、アラビア語史料をもとにその実態と研究史を整理する。ついで、カイロ・ゲニザを参照しながら、同時代のユダヤ人共同体がムワッヒド朝支配をどのように経験したのかについて検討する。そのうえで、マグリブとアンダルスの状況を比較しながら、ムワッヒド朝支配下におけるユダヤ人共同体の経験の相違について考察する。
(報告30分、質疑10分)

16:00-16:40 志田雅宏(静岡県立大学)
「アブラハム・マイモニデスにとってのマイモニデス論争—比較による考察―」

マイモニデスの法典『ミシュネー・トーラー』と哲学書『迷える者の導き』は、地域ごとに多様化する中世のユダヤ教文化に大きな衝撃をもたらした。とりわけ南フランスでは、彼の哲学書の受容をめぐって激しい論争が起こり、ユダヤ人共同体の内部で対立が深刻化した。このマイモニデス論争を調停することに従事し、フランス北部のラビたちに対してマイモニデスの哲学の意義を示したのが、カタルーニャの指導者ナフマニデスであった。他方、エジプトでは父の後を継いでユダヤ人共同体の指導者となったアブラハム・マイモニデスがこの論争に応答したが、そこには南フランスとエジプトのユダヤ教文化の違いについての彼の認識が反映されている。本報告では、マイモニデス論争に対するアブラハム・マイモニデスの応答について、ナフマニデスの事例との比較を通じて考察する。また、それによってエジプトのユダヤ教文化を特徴づけているムスリムとの交流についても検討したい。
(報告30分、質疑10分)

16:50-18:00 全体討論

参加方法については学会のウェブサイトで確認してください。
https://jewishstudiesjp.org/2026/06/05/2026symposium/

2026年5月30日土曜日

同志社大学神学研究科授業公開:L・バトニツキー教授

 同志社大学神学研究科「一神教特殊研究1」授業公開

●タイトル:"Renewing the Past: Martin Buber’s and Franz Rosenzweig’s Critiques of “Religion”"

●講師:Prof. Leora Batnitzky レオラ・バトニツキー教授

      Ronald O. Perelman Professor of Jewish Studies,  

    Department of Religion, Princeton University, USA

●日時:2026年6月20日(土) 13:30-15:30

●場所:同志社大学 神学館礼拝堂(3階)


ハイブリッド方式で会場とオンラインで開催します。

以下のFormsからお申込みください。

<申込期限:2026年6月17日(水)>

https://forms.office.com/r/NsX8yPA8Ez

※入場無料

●言語:英語による講演(日本語通訳付き)

詳細は以下からご確認ください。

https://theo.doshisha.ac.jp/theo/event/detail/028-med4be.html

2026年5月24日日曜日

京都ユダヤ思想学会第19回学術大会

京都ユダヤ思想学会
第19回学術大会

日時:2026年6月27日(土)
会場:同志社大学今出川キャンパス良心館107教室(RY102) およびオンライン(Zoom)

■スケジュール   
10:10 受付開始(対面会場開場およびZoom開室)   

【個人研究発表】
10:40−12:00  10:40-11:20 研究発表① 
「可能性に先行する現実性―エーディト・シュタインが描くトマス・アクィナスとフッサール」
発表者:長坂 真澄(早稲田大学)
司会:村岡 晋一(中央大学)

11:20-12:00 研究発表② 
「サアディアの知性観―『信仰と意見の書』とダニエル書訳の比較で―」
発表者:加藤 伽弥(同志社大学大学院博士課程)
司会:志田 雅宏(静岡県立大学)

【シンポジウム】13:00−17:00
「古代におけるエジプトとユダヤ思想」
13:00-13:05 趣旨説明  津田 謙治(京都大学)
13:05-13:45  発題①   宮川 創(筑波大学)
「古代エジプト・エレファンティネ島―アラム語文献が語るユダヤ人共同体と文化的多様性」
13:45-14:25 発題②    勝村 弘也(神戸松蔭大学)
「エジプトの知恵文学とその影響 ―箴言からソロモンの知恵まで」
(休憩10分)
14:35-15:15 発題③    津田 謙治(京都大学)
「アレクサンドリアにおけるユダヤ教と夢概念―悲劇作家エゼキエルを中心に」
15:15-15:55  発題④    武藤 慎一(大東文化大学)
「古代末期の2つの聖書理解 ―エジプトとシリア」
(休憩15分)
16:10-17:00 質疑応答

【総会】17:30−18:00

【情報交換会】 18:30−20:30 (懇親会)

参加を希望される方は下記登録フォームから登録をお願いします(登録締切は6月23日(火))。
https://docs.google.com/forms/d/1OOgBWcBOBxfuJDWKg6yS-IUOzzjQAzfvuQ45nwFpw9w/edit

京都ユダヤ思想学会ウェブサイト
https://sites.google.com/site/kyotojewish/o-zhirase?authuser=0



2026年2月17日火曜日

『ユダヤ・イスラエル研究』第39号(2025年)

 日本ユダヤ学会

『ユダヤ・イスラエル研究』第39号(2025年)

目次

〈論文〉
加藤哲平「ラビ・オカモト―日本人最初のラビの生涯—」(1-16頁)

蓼沼理絵子「『シュルハン・シェル・アルバ』に見るパンの祝福と救済」(17-31頁)

〈翻訳〉
嶋田英晴「ゲニザ文書「T-S 20.37」の解説付き「翻訳」」(32-39頁)

〈研究ノート〉
李美奈「ユダヤ学におけるデジタルヒューマニティーズ―2010年代以降を中心に―」(40-49頁)

〈シンポジウム 内側からのイスラエルとパレスチナ〉
鶴見太郎「解題」(50頁)

犬塚悠太「現代のイスラエルにおける宗教シオニズムの諸相—その歴史と展開を中心に―」(51-63頁)

保井啓志「動物論から見たイスラエル社会の諸相」(64-73頁)

南部真喜子「被占領地エルサレムのパレスチナ人コミュニティにおける逮捕・拘禁とその影響」(74-81頁)

〈書評〉
李美奈:山本伸一著『異端の鎖―シャブタイ・ツヴィをめぐるメシア思想とユダヤ神秘主義』(82-85頁)

長田浩彰:鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史—古代の興亡から離散・ホロコースト・シオニズムまで」(86-88頁)

細見和之:二井彬緒著『ハンナ・アーレントと共生の〈場所〉論―パレスチナ・ユダヤのバイナショナリズムを再考する』(89頁)

高尾千津子:ロテム・コーネル編著、滝川義人訳『近代アジアのユダヤ人社会—共同体の興隆、終焉、そして復活』(90-94頁)

櫻井丈:吉見崇一編訳『ユダヤ教の祈り―祈祷文と解説』(95-96頁)

安齋篤人:バーナード・ワッサースタイン著、工藤順訳『ウクライナの小さな町—ガリツィア地方とあるユダヤ人一家の歴史』(97-99頁)

戸澤典子:鈴木啓之・児玉恵美編著『パレスチナ/イスラエルの〈いま〉を知るための24章』(100-103頁)

丸山空大:後藤正英著『不寛容と格闘する啓蒙哲学者の軌跡—モーゼス・メンデルスゾーンの思想と現代性』(104-107頁)

〈大会報告要旨〉
第21回学術大会報告要旨(108頁)

〈英文要旨〉(109-111頁)

第34回西日本ドイツ現代史学会シンポジウム(日本ユダヤ学会共催)

 第34回西日本ドイツ現代史学会

プログラム

【日時】2026年3月28日(土)・29日(日)
【会場】九州大学西新プラザ大会議室(福岡市早良区西新2-16-23)、ならびにZoom
【参加費】無料

第1日目:3月28日(土)

シンポジウム「ナチズム・シオニズム・ユダヤ人―境界と越境」

共催:日本ユダヤ学会、2022〜2025年度科研プロジェクト「都市の中のグローバル・コロニアリズム—住環境の史的変遷にみる二重の不平等と移入民」(研究課題番号22H00708、研究代表者:水野博子)

 13:00-13:05 開会挨拶・諸注意

 13:05-13:10 趣旨説明:今井宏昌(九州大学)

 13:10-13:50 第一報告:長田浩彰(広島大学)

 13:50-14:30 第二報告:穐山洋子(同志社大学)

 14:30-15:10 第三報告:水野博子(明治大学)

 15:10-15:30 休憩

 15:30-15:50 コメント1:鶴見太郎(東京大学)

 15:50-16:10 コメント2:野村真理(金沢大学名誉教授)

 16:10-16:40 リプライ

 16:40-17:10 総合討論

 17:10-17:25 総会

 18:00-20:00 懇親会(対面のみ)


第2日目:3月29日(日)

個別報告(発表40分/質疑応答10分)

 09:30-10:20 第一報告:野中 諒(九州大学)

 「第一次世界大戦後アルザス・ロレーヌにおける傷病兵支援」

  司会:衣笠太朗(神戸大学)

 10:20-11:10 第二報告:峯沙智也(東京大学)

 「帝政期以前のドイツにおける職能代表構想」

  司会:飯田洋介(駒澤大学)

 11:10-12:00 第三報告:大津留厚(神戸大学名誉教授)

 「ヴァーグナ難民収容所を生きる」

  司会:今井宏昌(九州大学)

 12:00-12:10 閉会挨拶

 12:30-15:30 エクスカーション(対面のみ/途中参加・離脱自由)

  ※ 昼食も兼ねます

【参加申込】2026年3月22日(日)締切
下記のいずれかのウェブサイトからフォームで登録
日本ユダヤ学会ウェブサイト
https://jewishstudiesjp.org/2026/02/11/2026springmeeting/

西日本ドイツ現代史学会ウェブサイト
https://gendaishigakkai2013.hatenablog.com/entry/2026/01/17/023536


2025年11月22日土曜日

日本ユダヤ学会第22回学術大会

日時:2025年11月30日(日) 14:30~17:00 

場所:zoom(*URLは会員および非会員の申込者のみに告知)

非会員の参加方法は学会ウェブサイトに記載
https://jewishstudiesjp.org/2025/11/21/conference2025/

プログラム

14:30 開会のあいさつ

14:35~15:20 志田雅宏(静岡県立大学)
強制改宗と論争文学―プロファイト・ドゥランとハイーム・イブン・ムーサを例に

本発表では、1391年以降のスペイン・ユダヤ社会におけるキリスト教への大勢の強制改宗のなかで、ユダヤ人による反キリスト教論争文学がどのような役割をはたしたかを考察する。具体的には、1390年代のプロファイト・ドゥランによる著作(『汝の父祖のごとくであるなかれ』および『異教徒の恥辱』)と、1456年のハイーム・イブン・ムーサによる著作(『盾と槍』)を比較する。この比較によって、改宗者に対するユダヤ社会の認識の変化やキリスト教を論駁する目的、論争家たちのキリスト教観およびユダヤ教観などを検討する。

(※研究発表は発表30分+質疑応答15分。以下同)

15:25~16:10 保井啓志(同志社大学)
ラヴ・クックにおける動物倫理と菜食主義の解釈

アブラハム・イツハク・ハコヘン・クック(ラヴ・クック)はユダヤ教ラビの立場から1900年代という早い時期から菜食主義と動物倫理の擁護を訴えた人物であり、その論考は、後年に『菜食主義と平和のヴィジョン』としてまとめられている。本報告では、この書籍をもとに、ラヴ・クックの思想において、動物倫理や菜食主義がユダヤ教の範囲内でどのように解釈されていたのかを、その世俗的な動物倫理との対比を踏まえながら論じたい。

16:15~17:00 コヘン シラ(同志社大学)
ヘブライ文学と日本文学におけるキリスト教と暴力:S.Y.アグノンと芥川龍之介を例として

20世紀初頭、ヘブライ文学と日本文学は西洋文化と文学の影響のもとで発展していった。しかし、そのような文化的影響はそう単純に受け入れられていたわけでは無い。その中で、ヘブライ文学と日本文学両方にキリスト教を暴力的に描写する作品が見られていた。1943年、当時ヘブライ文学の第一人者であったS.Y.アグノンが吸血鬼的なキリスト教女性がユダヤ人の行ション人を殺そうとする「貴婦人と行商人」という短編小説を発表した。また、1917年から1927年にかけて、小説家芥川龍之介は日本のキリシタン時代(1549年〜1644年)を舞台とする短編小説、いわゆるキリシタン物を数十編発表した。そのうちの多くの作品はキリスト教徒の弾圧を題材とし、キリスト教を消極的に描写している。この二人の小説家のこのようなキリスト教の描写にはどういう意図があったのか。この発表では、アグノンと芥川がキリスト教とそれぞれユダヤ人及び日本人との歴史的な関係を暴力を軸として捉え直すこと度、自らの時代の西洋に対する不安を表現していたと論じ、さらに、このことが当時の文学情勢について何を示してくれるのかを問う。