2018年10月27日土曜日

中世哲学会 第67回総会・大会

中世哲学会
第67回総会・大会

【日程】:2018年11月10日(土)・11日(日)
【場所】:聖心女子大学 4号館/聖心グローバルプラザ

1日目(11月10日)
9:30ー10:20
アダム・タカハシ(東洋大学)
「アヴェロエス「知性単一説」とその批判:再考」
司会:小村 優太(早稲田大学)

10:20ー11:10
芝元 航平(上智大学)
「トマス・アクィナスの「第三の道」における必然性の問題」
司会:松根 伸治(南山大学)

11:10ー12:00
志田 雅宏(日本学術振興会)
「中世ユダヤ教におけるキリスト教論駁と福音書翻訳──ヤコブ・ベン・ルーベン『主の戦い』──
司会:矢内 義顕(早稲田大学)

12:00ー13:00
昼休・評議会(4号館3階4-3教室)

13:10ー14:00
松澤 裕樹(大谷大学)
「クヴェードリンブルクのヨルダンのラテン語説教におけるエックハルトの影響」
司会:長町 裕司(上智大学)

14:00ー14:50
袴田 玲(岡山大学)
「トマス・アクィナス説教 18「地は芽生えさせよ (Germinet Terra)」 におけるマリア論とその可能性」
司会:井上 淳(南山大学)

14:50ー15:40
野邊 晴陽(東京大学)
「トマス・アクィナスにおける「善」の基礎づけについて」
司会:荻原 理(東北大学)

15:40ー15:50
休憩

15:50ー16:40
須藤 英幸(同志社大学)
「人間は uti の対象か frui の対象か──アウグスティヌスにおける隣人愛の思想──」
司会:菊地 伸二(名古屋柳城短期大学)

16:40ー17:30
波多野 瞭(ストラスブール大学)
「秘跡の霊印と権能に対する認識を巡る 13 世紀中葉の議論──ボナヴェントゥラと初期トマスを中心に──」
司会:松村 良祐(藤女子大学)

17:30ー18:20
矢内 義顕(早稲田大学)
【シンポジウム特別報告】中世における原罪論の展開──アンセルムスからトマス・アクィナスへ──
司会:出村 みや子(東北学院大学)

18:40ー20:40
懇親会(4号館1階カフェ・ジャスミン)


2日目(11月11日)

9:30ー10:20
千葉 惠(北海道大学)
「アンセルムスの神の存在論的論証──啓示神学と自然神学を媒介する「理解」──」
司会:山内 志朗(慶應義塾大学)

10:20ー11:10
小川 量子(立正大学)
「ドゥンス・スコトゥスにおける自由と正義」
司会:辻内 宣博(早稲田大学)

11:10ー12:00
若松 功一郎(早稲田大学)
「エックハルトにおける存在 (esse) と知性認識 (intelligere) との関係──非トマス主義的知性論の伝統を踏まえて──」
司会:川添 信介(京都大学)

12:00ー13:00
昼休・編集委員会(4号館3階4-3教室)

13:10ー14:00
関沢 和泉(東日本国際大学)
「文法学は子供の如く、論理学は大人の如く、そして音楽は。──ロジャー・ベーコンにおける人間の自然本性と言語、音楽──」
司会:岩熊 幸男(福井県立大学)

14:05ー14:55
総会

15:00ー18:00
第67回中世哲学会シンポジウム
中世における原罪論の諸相──ラテン中世における展開──
司会:鶴岡 賀雄(南山大学)
【提題】
山口 雅広(龍谷大学)
「トマス・アクィナスの原罪論──彼のキリスト教的人間観の一面──」
【提題】
辻内 宣博(早稲田大学)
「神の自由意志の絶対性──オッカムのウィリアムにおける原罪論から──」
【提題】
佐藤 直子(上智大学)
「ヒルデガルトの視る「原罪」──Sciviasを中心に──」

2018年10月22日月曜日

2018年度聖書講座『ユダヤ教とキリスト教』

2018年度 聖書講座
『ユダヤ教とキリスト教』
共催:カトリック東京大司教区 上智大学キリスト教文化研究所

2018年11月17日(土)
場所:上智大学 中央図書館 9階 921会議室
聴講券:一般1000円、学生800円
発売日:2018年10月19日(金)~
発売所:聖イグナチオ教会案内所(月曜休み)または上智大学キリスト教文化研究所(土日祝休み)

10:20-10:30
挨拶
竹内 修一(上智大学教授)

10:30-11:30
「イエスの時代の言語生活—イエスは何語を使ったか—」
高橋 洋成(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員)
(内容)
通説では「イエス・キリストはアラム語を話した」とされますが、はっきりした証拠はありません。新約聖書にわずかに残されているイエスの言葉も、アラム語なのかヘブライ語なのか曖昧なものばかりです。そこで、本講座はイエス時代の言語状況を整理しながら、この問題を考えてみます。まず、当時のパレスチナは西方の国際語であるギリシア語と、東方の国際語であるアラム語の交差する地域でした。また、ヘブライ語も書き言葉としてだけでなく、話し言葉として使われていたことが判明しています。さらに、地域ごとに一つの言語が使われていたというより、複数の言語が場面に応じて「使い分け」されていた形跡があります――このような現象を言語学ではダイグロシア(二言語使い分け)と言います。以上のような状況を踏まえながら、イエスは何語を使ったか、ひいては、聖書記者はどんな言葉を使ったのかを、当時の言語生活に思いを馳せながら概観してみましょう。

13:00-14:00
「中世ユダヤ教世界におけるイエス—聖書解釈と民間伝承—」
志田 雅宏(日本学術振興会特別研究員)
(内容)
中世のユダヤ人たちは、E・ルナンら近代の「史的イエス」の探究とは異なる仕方で「人間イエス」を描いた。それは主にキリスト教との宗教論争のなかで、キリスト教徒、あるいはキリスト教徒聖書を読み、対抗的な言説を創り出すことを目的とするものであった。本発表では、そのユダヤ版イエス描写をふたつの文学ジャンルから取り上げる。ひとつは聖書解釈であり、ヘブライ語聖書/旧約聖書にイエス・キリストの預言を見出すキリスト教神学者に対して、ユダヤ人の聖書注釈家たちがどのような批判的応答をおこなったのかを、中世ユダヤ教の代表的なキリスト教論駁書から検討する。もうひとつは民間伝承であり、新約聖書の福音書におけるイエスの生涯と活動を大胆に読みかえた、『トルドート・イェシュ』というユダヤ版イエス物語を紹介する。これらの事例を通じて、中世ユダヤ教における、キリスト教との論争という文脈での聖書の読みについて考察する。

14:15-15:15
「ホロコースト後のユダヤ人とキリスト教徒」
武井 彩佳(学習院女子大学教授)
(内容)
キリスト教会とナチズムの関係についてはよく知られているだろう。ドイツではヒトラーに迎合する教会体制さえ存在したこと、教皇ピウス12世がユダヤ人虐殺を強く非難しなかったことなどが指摘されてきた。しかし、ホロコーストの後に、一般のキリスト教徒とユダヤ人の間にどのような問題があったのかはあまり知られていない。本講座では、ホロコーストゆえに生じた諸問題を、具体例とともに見てゆく。例えば、迫害を逃れるためにユダヤ教からキリスト教に改宗した者は、戦後どのように扱われたのか。また、カトリック圏でよく見られたケースだが。キリスト教徒の家庭で匿われ、洗礼を受けた子供の返還が裁判で争われている。逆に、キリスト教徒の側からは、ユダヤ人との和解はいかに試みられたのだろうか。ホロコーストにおける加害者は大半がキリスト教徒だったことを思うと、この問題を避けて通ることはできないだろう。

15:45-16:45
シンポジウム
司会:竹内 修一

上智大学キリスト教文化研究所ウェブサイト(トップページ)
http://dept.sophia.ac.jp/is/icc/


これまでの聖書講座
http://dept.sophia.ac.jp/is/icc/lecture2/



2018年10月18日木曜日

公開講座:市川裕「古代ユダヤ教の贖罪と悔い改め——心の内と儀礼」

公開講座
市川裕(東京大学教授)
「古代ユダヤ教の贖罪と悔い改め—心の内と儀礼」

【日時】2018年10月31日(水)16:45-18:15
【会場】 同志社大学今出川キャンパス 至誠館3階会議室
    *京都市営地下鉄烏丸線「今出川駅」下車 3番出口より徒歩3分

※事前申込不要、入場無料
※日本語講演
【主催】日本聖書学研究所
【共催】日本旧約学会
    同志社大学一神教学際研究センター (CISMOR)


同日開催
日本旧約学会
公開シンポジウム
「旧約聖書と古代オリエント世界」

【日時】2018年10月31日(水)13:20-16:30
【会場】 同志社大学今出川キャンパス 至誠館3階会議室
*事前申込不要、入場無料

13:20-14:00
長谷川修一(立教大学准教授)
「古代オリエント世界における近年の発見と旧約聖書」

14:00-14:40
中田一郎(中央大学名誉教授)
「メソポタミアの預言文書ーマリ預言文書を中心に」

14:40-15:20
月本昭男(上智大学特任教授)
「父祖物語と古代オリエントの法慣習」

15:40-16:30
全体会議



2018年10月17日水曜日

BOOK The Cambridge History of Judaism, Volume 6, The Middle Ages: The Christian World

The Cambridge History of Judaism
Volume 6, The Middle Ages: The Christian World
Edited by Robert Chazan (New York University)
Cambridge: Cambridge University Press, 2018

Contents
Introduction
by Robert Chazan

Part I - Jews in the Medieval Christian World

Chapter 1 - The Prior Church Legacy
by Robert Chazan
Chapter 2 - Medieval Church Doctrines and Politics
by Anna Sapir Abulafia
Chapter 3 - Mutual Perceptions and Attitudes
by David Berger
Chapter 4 - Byzantium
by Nicholas De Lange
Chapter 5 - Italy
by David Abulafia & Robert Bonfil
Chapter 6 - The Iberian Peninsula
by Yom Tov Assis & Mark Meyerson
Chapter 7 - Southern France
by Ram Ben-Shalom
Chapter 8 - Northwestern Europe
by Robert Chazan
Chapter 9 - Germany
by Alfred Haverkamp
Chapter 10 - Northeastern Europe
by Nora Berend

Part II - Social and Institutional History
Chapter 11 - The Sources
by Ephraim Shoham-Steiner
Chapter 12 - Demography and Migrations
by Michael Toch
Chapter 13 - Economic Activities
by Michael Toch
Chapter 14 - Communal and Religious Organization
by Jeffrey Woolf
Chapter 15 - Schools and Education
by Ephraim Kanarfogel
Chapter 16 - Annual Cycle and Life Cycle
by Elisheva Baumgarten
Chapter 17 - The Family
by Elisheva Baumgarten

Part III - Spiritual and Intellectual History
Chapter 18 - The Sources
by Daniel J. Lasker
Chapter 19 - Languages and Translations
by David M. Bunis & James T. Robinson
Chapter 20 - Book Production
by Malachi Beit-Arie
Chapter 21 - Bible Studies
by Martin Lockshin
Chapter 22 - Talmudic Studies
by Ephraim Kanarfogel
Chapter 23 - Jewish Law
by Alyssa M. Gray
Chapter 24 - Liturgy and Piyut
by Stefan C. Reif & Elisabeth Hollender
Chapter 25 - Philosophy
by Mauro Zonta
Chapter 26 - Science and Medicine
by Gad Freudenthal
Chapter 27 - Mysticism
by Elliot R. Wolfson
Chapter 28 - Belles-Lettres
by Jonathan P. Decter
Chapter 29 - Polemics
by Daniel J. Lasker
Chapter 30 - Historiography
by Eva Haverkamp
Chapter 31 - Material Culture and Art
by Katrin Kogman-Appel

Suggested Readings
Index

Book Description
Volume 6 examines the history of Judaism during the second half of the Middle Ages. Through the first half of the Middle Ages, the Jewish communities of western Christendom lagged well behind those of eastern Christendom and the even more impressive Jewries of the Islamic world. As Western Christendom began its remarkable surge forward in the eleventh century, this progress had an impact on the Jewish minority as well. The older Jewries of southern Europe grew and became more productive in every sense. Even more strikingly, a new set of Jewries were created across northern Europe, when this undeveloped area was strengthened demographically, economically, militarily, and culturally. From the smallest and weakest of the world's Jewish centers in the year 1000, the Jewish communities of western Christendom emerged - despite considerable obstacles - as the world's dominant Jewish center by the end of the Middle Ages. This demographic, economic, cultural, and spiritual dominance was maintained down into modernity.

Website of the Cambridge History of Judaism
https://www.cambridge.org/core/books/cambridge-history-of-judaism/3407B39B6C4F921F2FA8C265032A415B

Published in the Cambridge History of Judaism Series
Volume 1, Introduction: The Persian Period
Volume 2, The Hellenistic Age
Volume 3, The Early Roman Period
Volume 4, The Late Roman-Rabbinic Period
Volume 6, The Christian World
Volume 7, The Early Modern World, 1500-1815
Volume 8, The Modern World, 1815-2000

2018年10月16日火曜日

第2回京都ユダヤ思想学会関東大会

第2回 京都ユダヤ思想学会関東大会

2018年10月27日(土) 9:30-17:15
慶應義塾大学日吉キャンパス・来往舎

1) 聖書翻訳合評会(9:30-12:00)
堀川敏寛著『聖書翻訳者ブーバー』(新教出版社)評者:田島卓(国際基督教大学)
加藤哲平著『ヒエロニュムスの聖書翻訳』(教文館)評者:新免貢(宮城学院女子大学)

2) ジェラール・ベンスーサン特別講演(13:30-15:00)
「野生の、盲目の、無際限の存在」シェリング論(フランス語/日本語:日本語訳配布、一部通訳有)

3)ゲオルク・ジンメル没後100周年記念シンポジウム(15:15-17:15)
小野文生(同志社大学)「生と社会をめぐる〈かたち〉と〈あいだ〉の思想——ブーバーとジンメル」
合田正人(明治大学)「ジンメルにおける貨幣と社会」
廳 茂(神戸大学)「ユダヤ人としてのゲオルク・ジンメル問題」
深澤英隆(一橋大学)「脱伝統の可能性と不可能性——ジンメル宗教論の諸相」

主催:京都ユダヤ思想学会
後援:慶應義塾大学教養研究センター

公式HP
https://sites.google.com/site/kyotojewish/



シンポジウム「ソ連・東欧のホロコースト」

シンポジウム
ソ連・東欧のホロコースト

2018年10月28日(日) 午前9時30分開場
会場 早稲田大学戸山キャンパス36号館6階 681教室 (10時〜18時)

シンポジウム・プログラム
1) 10:00~12:30 「ソ連におけるホロコースト」(日本語による報告)

1 重松尚(東京大学)
リトアニア人行動主義戦線の反ユダヤ主義—ブロニース・ライラの思想と活動
2 野村真理(金沢大学)
ミンスク・ゲットーの抵抗運動—成果と限界
3 髙尾千津子(東京医科歯科大学)
ウクライナ・ユダヤ民族地区の絶滅—独ソ戦期の<隣人の証言>

  休憩 
2) 13:30~18:00   The Holocaust in Eastern Europe (英語による報告)

1- The Holocaust and its Aftermath in Poland

・Katarzyna Person (Jewish Historical Institute in Warsaw, Poland)
Acculturated Jews during the Holocaust and Postwar Polish-Jewish relations

・Haruka Miyazaki(Hokkaido University of Education, Hakodate)
Nationalism and Catholic Images in Afterwar Poland:

Discussant: Taku Shinohara (Tokyo University of Foreign Studies)
Chair: Ayaka Takei (Gakushuin Women’s College)

2- The Holocaust and Genocide

・Anton Weiss-Wendt  (Center for the Study of the Holocaust and Religious Minorities, Oslo, Norway)
Mass Murder by Design: The Nazi Treatment of Jews and Roma Compared

・Takumi Ide (Rikkyo University)
Persecution of Roma in the Slovak State: Comparison with the Case of Jews

Discussant: Hiromi Komori (Waseda University)
Chair: Taro Tsurumi (University of Tokyo)

主催 科研基盤(B)「ソ連・東欧におけるホロコーストの比較研究」
共催 日本ユダヤ学会・東欧史研究会