2020年1月31日金曜日

勝又悦子ほか編『一神教世界の中のユダヤ教:市川裕先生献呈論文集』

『一神教世界の中のユダヤ教:市川裕先生献呈論文集』
(勝又悦子・柴田大輔・志田雅宏・高井啓介編、リトン、2020年1月)

目次
まえがき(pp. 3-6)
市川裕先生の略歴・業績一覧(pp. 11-27)

第一部 古代西アジア世界とヘブライ語聖書
柴田大輔「古代メソポタミアの一神教」(pp. 31-56)
細田あや子「メソポタミアのマクルー儀礼における火と水の力」(pp. 57-90)
高井啓介「「アバル・ナハラ州(エビル・ナーリ)の総督」とアール・ヤーフドゥ共同体」(pp. 91-112)
加藤久美子「魅力ある女は、名誉を摑む 自分自身に報いる者だ、友愛に富む者は―ヘブライ語聖書箴言11章16-22節の構造と意味―」(pp. 113-133)

第二部 古代地中海世界とキリスト教
小堀馨子「古代ローマにおける卜占」(pp. 137-162)
上村静「第二神殿時代におけるガリラヤのリーダーたち—ユダヤ性への問い―」(pp. 163-188)
土居由美「ユダヤ教からキリスト教へ―異教世界と接して―」(pp. 189-220)
中西恭子「アウグスティヌス『神の国』における「地上の国の宗教」」(pp. 221-240)

第三部 ラビ・ユダヤ教の展開
櫻井丈「ユダヤ民族的出自の新生―バビロニア・タルムードにみる血縁擬制としての改宗概念」(pp. 243-272)
勝又悦子「「民」と「自由」と「偶像崇拝」—出エジプト記ラッバ41章を中心に―」(pp. 273-299)
嶋田英晴「中世イスラーム世界のユダヤ社会における教育と破門の機能について」(pp. 301-317)
志田雅宏「ハイーム・イブン・ムーサ『盾と槍』—15世紀の宗教論争とその知的背景—」(pp. 319-344)

第四部 近現代ヨーロッパのユダヤ人とユダヤ教
李美奈「近代的ユダヤ人ステレオタイプの形成―17世紀イタリアに見る市民としての受容の前段階」(pp. 347-365)
青木良華「ヴォロジン・イェシヴァ考察―ミトナグディーム揺籃の場―」(pp. 367-393)
立田由紀恵「ボスニアにおけるユダヤ人の歴史と社会」(pp. 395-417)

執筆者紹介(pp. 419-421)
あとがき(pp. 422-423)

2020年1月25日土曜日

(2/26更新 このシンポジウムは中止となりました!)シンポジウム「モノとアイデアの古代宗教世界」

(2/26更新
このシンポジウムは中止無期延期となりました! 新しい開催日はあらためてお知らせいたします)

「イスラエル国ガリラヤ地方の新出土シナゴーグ資料に基づく一神教の宗教史再構築」最終シンポジウム
モノとアイデアの古代宗教世界
―新出土シナゴーグをめぐる宗教研究の新たな試み―

日時:2020年3月1日13:00~18:00
場所:東京大学本郷キャンパス法文二号館一番大教室

プログラム
13:00–13:15趣旨説明
市川裕(本科研プロジェクト代表者、東京大学名誉教授)

13:15–15:15
第一部 食と宗教の古代宗教比較文化論
司会:土居由美(東京大学大学院人文社会系研究科研究員)
発題者
葛西康徳(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
「古代ギリシア宗教と動物犠牲――問題は解決されたのか?」
勝又悦子(同志社大学神学部准教授)
「異教徒との接点としての食」
牧野久実(鎌倉女子大学教育学部教授)
「土器資料に見る食の変容~フタと容器の関係から」
発題者によるディスカッション

15:45–17:45
第二部 新発見シナゴーグから見るイエス時代のユダヤ教
司会:中西恭子(東京大学大学院人文社会系研究科研究員)
発題者
上村静(尚絅学院大学総合人間科学部教授)
「ガリラヤのユダヤ化とその諸相――ハスモン時代からミシュナ時代まで」
山野貴彦(立教大学文学部非常勤講師)
「紀元後1世紀のガリラヤとユダヤにおけるシナゴーグ共同体の形成」
江添誠(神奈川大学外国語学部非常勤講師)
「バル・コホバの乱(第二次ユダヤ戦争)における砦~その立地と戦略~」
発題者によるディスカッション


2019年12月26日木曜日

宗教史学研究所 第70回研究会

宗教史学研究所
第70回研究会

日時:2010年1月25日(土) 13:30~17:30
会場:東洋英和女学院大学院 六本木校舎201教室

13:30-14:40:発表1 井関大介 「井上円了の妖怪学と宗教学」
14:40-14:50:休憩
14:50-16:00:発表2 丸山空大 「魂の故郷への越境--近代ドイツ・ユダヤ人とアイデンティティの問題」
16:00-16:10:休憩、参加者自己紹介等
16:10-17:20:発表3 三輪地塩 「キリシタン殉教を物語る行為によって生まれる境界」
17:20-17:30:総括、各種報告

発表1 
井関大介 井上円了の妖怪学と宗教学
明治・大正期の哲学者である井上円了(1858-1919)の妖怪学は、近代科学による迷信撲滅運動としては広く知られているものの、その長大で雑駁な内容の全体を通して円了の意図を読み解くような研究はまだ少ない。もとより円了自身の進歩主義的姿勢は顕著であって、迷信の否定とそれによる仏教の近代化を目指したという一般的な評価は妥当ではある。しかし、妖怪学の実態はそれだけにとどまるものでなく、多様な志向性が関連著作の随所に見られる。一方、姉崎正治に始まるとされる現在の宗教学者の系譜意識からは外れているが、円了は日本における「宗教学」の先駆者の一人でもあった。実践を強く志向していたため、まだ客観的学問ではない護教論の段階であったと評価されがちであるが、円了自身は学問により得られる知見とその応用とを区別していたらしい。そのような応用の一つであったと考えられる妖怪学を読み直すことで、円了の「宗教学」について再検討したい。

発表2 
丸山空大  魂の故郷への越境--近代ドイツ・ユダヤ人とアイデンティティの問題
18世紀末にはじまったユダヤ人解放とともに、ドイツのユダヤ人は、近代化するドイツ社会に順応しようとした。しかし政治的権利の漸次的拡大にもかかわらず、ドイツ社会は彼らを異質なものとみなし続けた。その結果ドイツのユダヤ人たちは、順応を目指すイデオロギーを「同化」とよび、固有性の放棄として批判するようになった。19世紀後半に生まれたユダヤ人はナショナリズムの影響のもと、こうした批判を受け入れたが、それは彼ら自身の心身を形作ったイデオロギーの破綻を認めることにほかならなかった。このようにして抱え込むことになったアイデンティティをめぐる葛藤を、しばしば彼らは「境界」の比喩を用いて表象した。これらの境界は、伝統と近代、世俗と宗教、ヨーロッパとユダヤ、現実と希望といったさまざまな領域を画し、精神と身体を貫く。本発表ではフランツ・ローゼンツヴァイクを例に、ドイツ・ユダヤ人の文化的・宗教的アイデンティティ構築の諸相を、境界の比喩(その跳び越え、抹消、移動)に着目して捉え返してみたい。

発表3 
三輪地塩 キリシタン殉教を物語る行為によって生まれる境界
幕末明治期に起こった浦上四番崩れは、近代日本史最大の宗教弾圧事件であるが、この出来事の顛末はフランシスク・マルナス、浦川和三郎、池田敏雄などのカトリック司祭らによって記録されている。彼らが「通史」として浦上キリシタン史を叙述する一方、フランス、リヨン出身のパリ外国宣教会師A・ヴィリオン(Aimé Villion, 1843-1932)は、現地調査とキリシタン講演会という独自の方法でキリシタン史を掘り起こして叙述した。彼はF・ザビエルに対して深い崇敬の念を抱いており、その崇敬の念が彼自身の内なる殉教像(殉教イメージ)を作りだし、浦上キリシタンたちにその像を投影するようにしてキリシタン史を物語っていると考えられる。本研究では、殉教を物語る際に起こる「ステレオタイプの殉教イメージ」による「記憶の呼び起こし」と、そこから生み出される「記憶の創造」の境界について考察する。

2019年12月24日火曜日

『ユダヤ・イスラエル研究』第33号(2019)

『ユダヤ・イスラエル研究』
第33号(2019年12月)

〈シンポジウム 古代後期のユダヤ教研究の諸相〉
解題(市川裕)1
一神教の二つの流れとその歴史的源流(市川裕)3
クムランと死海文書(上村静)13
ローマ帝国の「キリスト教化」とユダヤ教(中西恭子)26

〈翻訳 ユダヤ啓蒙思想とメンデルスゾーン〉
解題(後藤正英)38
ユダヤの伝統への挑戦(シュムエル・ファイナー)(鳥越覚生・訳)40
モーゼス・メンデルスゾーンの現代性(ミヒャ・ゴットリープ)(加藤哲平・後藤正英・訳)50

〈書評〉
市川裕著『ユダヤ人とユダヤ教』(臼杵陽)70
加藤哲平著『ヒエロニュムスの聖書翻訳』(大澤耕史)75
丸山空大著『フランツ・ローゼンツヴァイク』(向井直己)77
森達也著『思想の政治学ーアイザィア・バーリン研究』(市川裕)81
広瀬佳司・伊達雅彦編『ユダヤの記憶と伝統』(三杉圭子)87
イラン・パペ著『パレスチナの民族浄化―イスラエル建国の暴力』・『イスラエルに関する十の神話』(金城美幸)89

〈新刊紹介〉
村田靖子著『エルサレムの悲哀』(鴨志田聡子)94
エトガル・ケレット著『クネレルのサマーキャンプ』(細田和江)96
エヴァ・ホフマン著『シュテットルーポーランド・ユダヤ人の世界』(宮崎悠)97
立山良司編『イスラエルを知るための62章 第2版』(保井啓志)98

〈大会報告要旨〉
第15回学術大会報告要旨99

〈英文要旨〉101

2019年11月27日水曜日

CISMORワークショップ「シオン/エルサレム/聖地」観の再検討:聖書テキストから今日に至るまで」

CISMORワークショップ
第1回「シオン/エルサレム/聖地」観の再検討:聖書テキストから今日に至るまで」


開催日:2019年12 月21日(土)
会場:至誠館3階会議室(同志社大学、今出川キャンパス)

プログラム
10:30-10:40 司会:石黑安里
挨拶:アダ・タガー・コヘン(CISMOR センター長・同志社大学)
趣旨説明:石黑安里

(発表時間 25 分+質疑 10 分)

Session A: 古代 司会:平岡光太郎
10:40-11:15
北村 徹(同志社大学)
「捕囚における希望の所在 −第二イザヤとエゼキエルにおけるシオンに注目して」

11:15-11:50
加藤哲平(日本学術振興会)
「ヒエロニュムスの聖地巡礼について」

お昼休憩 11:50-13:20

Session B :中世 司会:石黑安里
13:20-13:55
嶋田英晴(國學院大學)
「中世におけるイスラームとユダヤの巡礼紀行文学(リフラ)について」

13:55-14:30
志田雅宏(早稲田大学)
「ナフマニデスのアリヤー:思想・戒律・現実」

休憩 14:30-14:40
Session C: 近現代 司会:加藤哲平
14:40-15:15
平岡光太郎(同志社大学)
「マルティン・ブーバーのエルサレム観−1938 年のヘブライ大学における講演を中心に」

15:15-15:50
石黑 安里(同志社大学)
「アメリカ改革派ユダヤ教のシオン解釈:『コロンバス綱領』(1937 年)に至る背景」

休憩 15:50-16:00

16:00-16:30
コメント (各 15 分) 司会:平岡光太郎
➀市川裕先生(東京大学)
➁竹内裕先生(熊本大学)

16:30-17:55 全体討論

17:55-18:00
閉会の挨拶:アダ・タガー・コヘン(CISMOR センター長・同志社大学)、平岡光太郎

CISMORウェブサイトでの案内


2019年11月3日日曜日

日本ユダヤ学会関西例会

日本ユダヤ学会
関西研究例会

日時:2019年12月1日(日)14時30分~17時45分
会場:同志社大学 扶桑館1階107(今出川キャンパス *地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩1分)

報告1
14:30~15:30 石黑 安里 会員
「1910~1920年代のアメリカにおける『シオニズム』の多義性」
アメリカのユダヤ人にとってシオニズム運動は『二重の忠誠』を疑われるため忌避されるべきものとみなされてきた。またユダヤ教の論理からすると、シオニズム思想は容認できないものであった。しかし、改革派ユダヤ教のラビの中にもスティーブン・S・ワイズ(1874-1949)などのシオニストが登場する。本報告では、1910年代から1920年代のアメリカ・ユダヤ社会の指導者の「シオニズム」観の多義性に着目し、「シオニズム」をアメリカ・ユダヤ人の統合の原理として解釈しなおそうとした試みについて考察する。
15:30~16:00 質疑応答

16:00~16:15 休憩

報告2
16:15~17:15 北 彰 会員
「パウル・ツェランのブカレスト詩編」 
詩人パウル・ツェランは戦後ドイツ語文学の中で大きな存在とみなされている。現在のウクライナ、かつてのハプスブルク帝国の辺境に位置する街チェルノヴィッツに1920年にユダヤ人の両親のもとに生まれた。両親をナチにより殺されている。自身辛くも命をながらえ、戦後はソ連領となった故郷の街からブカレストへ逃れ、次いでウィーンを経てパリに定住した。1970年に自死している。今まであまり照明を当てられていないツェランのブカレスト詩編について伝記的事実にも目配りしながら報告したい。
17:15~17:45 質疑応答

2019年10月12日土曜日

『ユダヤ教とキリスト教』

上智大学キリスト教文化研究所編
『ユダヤ教とキリスト教』
(リトン、2019年)

高橋洋成
「イエスの時代の言語生活―イエスは何語を使ったか?―」

志田雅宏
「中世ユダヤ教世界におけるイエスー聖書解釈と民間伝承―」

武井彩佳
「ホロコースト後のユダヤ人とキリスト教徒―キリスト教への改宗者の戦後―」

2018年度 聖書講座 シンポジウム
「ユダヤ教とキリスト教」