関西研究例会
日時:2019年12月1日(日)14時30分~17時45分
会場:同志社大学 扶桑館1階107(今出川キャンパス *地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩1分)
報告1
14:30~15:30 石黑 安里 会員
「1910~1920年代のアメリカにおける『シオニズム』の多義性」
アメリカのユダヤ人にとってシオニズム運動は『二重の忠誠』を疑われるため忌避されるべきものとみなされてきた。またユダヤ教の論理からすると、シオニズム思想は容認できないものであった。しかし、改革派ユダヤ教のラビの中にもスティーブン・S・ワイズ(1874-1949)などのシオニストが登場する。本報告では、1910年代から1920年代のアメリカ・ユダヤ社会の指導者の「シオニズム」観の多義性に着目し、「シオニズム」をアメリカ・ユダヤ人の統合の原理として解釈しなおそうとした試みについて考察する。
15:30~16:00 質疑応答
16:00~16:15 休憩
報告2
16:15~17:15 北 彰 会員
「パウル・ツェランのブカレスト詩編」
詩人パウル・ツェランは戦後ドイツ語文学の中で大きな存在とみなされている。現在のウクライナ、かつてのハプスブルク帝国の辺境に位置する街チェルノヴィッツに1920年にユダヤ人の両親のもとに生まれた。両親をナチにより殺されている。自身辛くも命をながらえ、戦後はソ連領となった故郷の街からブカレストへ逃れ、次いでウィーンを経てパリに定住した。1970年に自死している。今まであまり照明を当てられていないツェランのブカレスト詩編について伝記的事実にも目配りしながら報告したい。
17:15~17:45 質疑応答