東京国際大学国際交流研究所
2017年度第1回公開講演会
「「一神教」認識と他者イメージ――「エジプト人モーセ」問題とイスラーム、そして私たち」
2017年5月27日(土)14:00~16:30(開場13:30)
場所:東京国際大学 高田馬場サテライト4階
[アクセス]
地下鉄東西線「高田馬場」下車、徒歩4分
JR山手線「高田馬場」下車、戸山口より徒歩3分
[会場住所]東京都新宿区高田馬場4-23-23
地図は下記のリンク先から御覧ください。
http://www.tiu.ac.jp/about/access/
講師:東京大学名誉教授 板垣雄三先生
講演要旨:「一神教vs.多神教の臆断を再考するために」
一般に一神教の歴史は、紀元前14世紀エジプトのアクエンアテンを自称したファラオ=アメンホテプ4世の宗教革命に発するとされている。ところが、一神教を代表すると自負するユダヤ・キリスト教文明の側からエジプトは一神教への対立者=偶像崇拝の巣と目される。一方、「ヘブライ人モーセ」ならぬ「エジプト人モーセ」像が一神教を止揚するものとして見なおされる動きも続いてきた。その20世紀現象としてジークムント・フロイトの最晩年の議論(渡辺哲夫訳『モーセと一神教』を踏まえて、「エジプト人モーセ」問題は近年、広く関心を集めている。その中でも注目されてきたドイツのエジプト学者・宗教学者Jan AssmannによるMoses der Ägypter: Entzifferung einer Gedächtnisspur, 1998の邦訳、ヤン・アスマン[安川晴基訳]『エジプト人モーセ:ある記憶痕跡の解読』、藤原書店)が本年1月刊行された。これまでとかく看過されてきたイスラームへの視角から「エジプト人モーセ」を考えつつ、アスマンの仕事をどのように評価できるかを、ことに一神教vs.多神教の理解において誤った臆断をかかえる日本社会の中で、問題としてみたい。
※参加費無料、事前申込不要(先着順)
共催:早稲田大学イスラム科学研究所アジア・イスラーム研究会