2015年5月16日土曜日

公開ワークショップ:モーゼス・メンデルスゾーンとユダヤ自治

基盤研究(B)「『ユダヤ自治』再考」第三回公開ワークショップ

「モーゼス・メンデルスゾーンとユダヤ自治」
報告者:後藤正英(佐賀大学文化教育学部准教授)
日時:5月31日(日):15:00-17:00
場所:専修大学 神田キャンパス 会議室7A
参加費:無料(どなたでもご参加できます/事前予約等不要)

主催:科学研究費・基盤研究(B)「『ユダヤ自治』再考――アシュケナージ文化圏の自律的特性に関する学際的研究」

概要:

モーゼス・メンデルスゾーン(1729-1786)は、国民国家形成期のヨーロッパ社会に参入していく転換期のユダヤ人を象徴する人物であり、ユダヤ人の近代を考えるうえで欠くことができない存在である。メンデルスゾーンに関しては、その象徴性のゆえに、後世の人々によって様々なイメージが語られてきたわけだが、当のメンデルスゾーン自身は、実際のところ、いかなる形態のユダヤ自治を構想していたのだろうか。
1770年代になると、メンデルスゾーンは、その名声の高まりに応じて、各地のユダヤ共同体が政府機関との間で抱えていたトラブルの調停活動に乗り出すことになった。この一連の活動中に、メンデルスゾーンは、プロイセンの官僚とラビの間に立ちながら、ユダヤの宗教法とプロイセン法の関係のあり方について自らの見解を練り上げることになった。そこで取り上げられたテーマは、埋葬、財産、宣誓、破門など、多岐に渡っている。
本報告では、70年代から80年代にかけて書かれた幾つかの文書を取り上げて、政教分離国家におけるユダヤ共同体の法的自治のあり方について、メンデルスゾーンがいかなるプランを描いていたのかを考えたい。

プロフィール:1974年生まれ。佐賀大学文化教育学部准教授。専門は宗教学。京都大学学院文学研究科博士後期課程修了後、日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て現職。博士(文学)。WEB上で読める論文として「近代ユダヤ教と宗教的寛容」『一神教学際研究3』
http://www.cismor.jp/jp/series/jismor/、共著に『ユダヤ人と国民国家』(岩波書店)、『グローバル・エシックス』(ミネルヴァ書房)、共訳に『シェリング著作集1b』(燈影舎)、『根源悪の系譜』(法政大学出版局)など。
2010年以降、デッサウ・メンデルスゾーン協会との交流を続けている。
http://www.mz-web.de/dessau-rosslau/dessau-rosslau-verbindung-mit-japan-besiegelt,20640938,17379456.html