2018年7月13日金曜日

ユダヤ式ライフコーチング

ユダヤ式ライフコーチング
講師Tsvi Sadan(佐々木嗣也)氏 エルサレム在住

ホームページ
http://jewishlifecoaching.net/
「はじめに」より
本日開設したこのウェブサイトに併設したこのブログでは、ユダヤ式ライフコーチングを日本(語話者)の皆様にももっと知っていただくために、その理論と実践、それを支える(ハシディズム流)ユダヤ式心理学、それらの基礎となるユダヤ流人生の知恵などを週替わりで少しずつご紹介していく予定です。年月を重ねると共に、ブログが全体としてユダヤ式ライフコーチングに関する日本語による連想的データバンクのようなものにでも発展して行くことができればと願っております。ゆくゆくは、このブログを元にしてユダヤ式ライフコーチングについての啓蒙書・実用書として日本語でまとめあげることができれば、さらに願ったり叶ったりです。

佐々木氏によるブログ
http://jewishlifecoaching.net/blog/

The XIth Congress of the EAJS 2018 Krakow

The XIth Congress of the European Association for Jewish Studies 
the Institute of Jewish Studies, Jagiellonian University, Kraków
15-19 July 2018

Top page of the Congress (in the Official Website of EAJS)
http://www.eajs2018.uj.edu.pl/en

Programme
http://www.eajs2018.uj.edu.pl/en_US/programme

2018年6月21日木曜日

NEWSLETTER: KAKEHASHI Project 2018, Visiting Program to Boston and New York by Japanese Jewish Studies Researchers

NEWSLETTER

KAKEHASHI Project 2018
Visiting Program to Boston and New York by Japanese Jewish Studies Researchers, 18-24, March 2018

Newsletter (PDF, 8 pages, in English)

See also: Newsletter on Kakehashi Project 2019 (update:2019/08/14)
http://alderekhhaemet.blogspot.com/2019/08/newsletter-kakehashi-project-2019.html








2018年6月15日金曜日

京都ユダヤ思想学会第11回学術大会

京都ユダヤ思想学会
第11回学術大会

日時:2018年6月23・24日
会場:同志社大学烏丸キャンパス志高館 SK112 教室

公開シンポジウム
■シンポジウム企画趣旨
「ヘルマン・コーエンにおけるユダヤ教――倫理・政治・科学」

合田正人(第11回学術大会シンポジウム企画者/本学会会長)
2018年は、ドイツで活躍した二人のユダヤ人哲学者の没後100年にあたる。ヘルマン・コーエン(Hermann Cohen)とゲオルク・ジンメル(Georg Simmel)である。京都ユダヤ思想学会ではぜひともこれら二人の哲学者をめぐるシンポジウムを開催したいと考えているが、2018年6月23日開催予定の学術大会ではヘルマン・コーエンをまず取り上げる。
コーエンはアンハルト=ベルンブルク侯国のコースヴィヒに1842年7月14日にシナゴーグの先唱者の息子として生まれた。幼少期からブレスラフの神学校でラビになるための学習を開始するが、ラビになるという計画を放棄して、ブレスラウ大学およびベルリン大学で哲学を学び、1865年にハレ大学で博士号を取得。1876年から1912年までマールブルク大学で教鞭を執り、マールブルク学派と呼ばれる新カント派の学派の生みの親となった。退官後はベルリンの「ユダヤ教学高等学院」(Hochschule für die Wissenschaft des Judentums)でユダヤ教を講じた。
西田幾多郎や田辺元の著述を見ると、明治末期から大正前半にかけてコーエンがこれら日本の哲学者たちにとって極めて重要な存在であったことが分かる。だが、現象学の興隆と共にコーエンは忘却されていった。ジル・ドゥルーズ『差異と反復』(1968年)での微分の哲学をめぐる考察、1988年ジャック・デリダがエルサレムで行った講演Interpretatios at war : Kant, the Jews, the Germanに触発されて、近年、コーエンを語る若干の論者が現れたとはいえ、コーエンという哲学者の全体像に迫る研究者はまだ本邦にはなく、また、『ユダヤ教論考』全三巻(Jüdische Schriften, 1924)、『ユダヤ教を典拠とした理性の宗教』(Religion der Vernunft aus den Quellen des Judentums, 1919)の邦訳もまだ存在しない(後者については本学会員の村岡晋一氏による翻訳が進行中である)。このような状況のなかで、本シンポジウムでは、6名の発表者によっていわば多面体としてコーエンを捉え、それぞれの視点から、過去の哲学者としてではなく未発掘の哲学者としてコーエンを甦らせることをめざす。
Wissennschaft des Judentumsと呼ばれる学的運動が1820年代に始まったことはよく知られているが、それと併行して、「ユダヤ人問題」をめぐるバウアー、ヘス、マルクスらの考察が展開され、スピノザの弟子を自認するヘスの場合、それはシオニズムに行き着くことになる。まず、このような多重の動きとコーエンはどのように係わったのか。コーエンは一貫して反スピノザ、反シオニズムを唱え、ドイツとユダヤとの相乗的共生の可能性を信じ、「共にある人間」(Mitmenschen)という観念をもって倫理的社会主義とも言うべき立場を主張したが、それはどのようなものだったのか。
このようなコーエンの姿勢と彼のカント解釈はどのように関係しているのか。このカント解釈は微分ないし無限小分析となぜつながったのか。「ユダヤ教は宗教でさえない」と断じたカントの教説が、コーエンにあって「理性の宗教」としてのユダヤ教解釈に貢献したのはどのようにしてなのか。20世紀のドイツ・フランスでのユダヤ教ルネサンスとも呼びうる現象は、いずれもコーエンの思想との対話から生まれたと言っても決して過言ではない。フランツ・ローゼンツヴァイクは、レオ・シュトラウスは、そしてエマニュエル・レヴィナスはコーエンのうちに何を見たのか。また、どこでコーエンと袂を分かったのか。
これら数々の問いが交錯するなかで、ヘルマン・コーエンの生ける遺産が参加者各人のなかに様々な波紋を作り出すことを願うばかりである。

■大会プログラム
6 月23 日(土)
9:50 受付開始

【個人研究発表】
10:10-10:50 研究発表①「ゴーレム創造の歴史的変遷」
発表者:松浦翔子(京都府立大学他非常勤講師)
司会:向井直己(京都大学特定研究員)

10:50-11:30 研究発表②「日本軍政下の上海にユダヤ絶滅計画は存在したか(続)」
発表者:菅野賢治(東京理科大学)
司会:細見和之(京都大学) 

11:30-13:00 休憩(昼食)

【シンポジウム】「ヘルマン・コーエンにおけるユダヤ教――倫理・政治・科学」
13:00-13:50 会長基調講演「ヘルマン・コーエンのユダヤ教理解とその波紋」
合田正人(明治大学)19, 20世紀フランス・ドイツ思想、近代ユダヤ思想史
13:50-14:00  質疑応答
14:00-14:10  休憩

14:10-14:30 コメント①「「回帰」は現代の苦境を超えゆく処方箋たり得るか?」
石崎嘉彦(摂南大学名誉教授)政治哲学
14:30-14:50 コメント②「人間の哲学的発見 ―コーエンとローゼンツヴァイク―」
佐藤貴史(北海学園大学)ドイツ・ユダヤ思想史
14:50-15:10 コメント③「若きコーエンの哲学的出発点 ―『カントの経験の理論』以前の心理学的研究のもつ意味」
後藤正英(佐賀大学)思想史、宗教学
15:10-15:30 コメント④「京大田辺文庫における二冊のPrinzipについて」
林晋(京都大学)歴史学(思想史)、歴史社会学
15:30-15:50 コメント⑤「『ユダヤ教の源泉からの理性の宗教』における「理性の宗教」とは?」
村岡晋一(中央大学)ドイツ・ユダヤ思想、ドイツ観念論
15:50-16:05  小休憩
16:05-17:00  討議と質疑応答

17:05-17:50  総会
18:15      懇親会(芙蓉園:烏丸今出川の交差点から西に約20メートル)

6 月24 日(日)
9:50 受付開始

【個人研究発表】
10:10-10:50 研究発表③「ヘブライ語聖書における貯水穴בורの埋葬地としての役割」
発表者:新井雅貴(同志社大学神学研究科博士後期課程)
司会:勝村弘也(神戸松蔭女子学院大学名誉教授)

10:50-11:30 研究発表④「民話のなかのナフマニデス:神の名前の使い手」
発表者:志田雅宏(日本学術振興会特別研究員)
司会:平岡光太郎(同志社大学) 

11:30-13:00  休憩

13:00-13:40 研究発表⑤「ユダヤ教とキリスト教の自己認識とその境界 ―古代末期のシリアを中心に―」
発表者:大澤耕史(中京大学)
司会:手島勲矢(日本学術会議連携会員)

13:40-14:20 研究発表⑥「レヴィナスにおける彼性と主体の関係ならざる関係 ―ロジェ・ラポルトによる解釈との関連」
発表者:犬飼智仁(明治大学大学院文学研究科仏文専攻博士後期課程)
司会:藤岡俊博(滋賀大学)

14:20-15:00 研究発表⑦「構想される無限とその痕跡 ―カント『判断力批判』のデリダによる読解から」
発表者:長坂真澄(群馬県立女子大学)
司会:合田正人(明治大学)

京都ユダヤ思想学会公式ホームページ
https://sites.google.com/site/kyotojewish/



2018年5月23日水曜日

合評会:加藤哲平『ヒエロニュムスの聖書翻訳』・大澤耕史『金の子牛像事件の解釈史』

科学研究費補助金助成研究(基盤A)
「ユダヤ文献」の構成の領域横断的研究

加藤哲平『ヒエロニュムスの聖書翻訳』
+大澤耕史『金の子牛像事件の解釈史』合評会
(*6/12「科研プロジェクトからのコメント」に原稿(PDF)のリンクを貼りました)


「古代ユダヤ/キリスト教の伝承混交」のご案内

 律法の妥当性をめぐって、あるいはイエスの神性をめぐって、原理的な対立を孕む古代のユダヤ教とキリスト教――その指導者たちは、実際に人々を教え導こうとするとき、その対立をどこまで維持しえたでしょうか。
 この度、科研費助成研究「『ユダヤ文献』の構成の領域横断的研究」では、古代ユダヤ/キリスト教の曖昧な境界をつぶさにたどる加藤哲平氏、大澤耕史氏の近刊を取り上げつつ、様々な専門分野から評者を招いて合評会を催し、ヴァラエティに富んだ古代のオリエント世界を捉えなおす機会にしたいと考えています。
 当日は(株)教文館の協力により、関連書籍の展示販売も開催する予定です。参加費は無料、申し込みは不要です。皆様のお越しをお待ちしております。

 日時:2018年6月9日 14:00-18:00
 場所:東京大学本郷キャンパス
    国際学術総合研究棟 1F 文学部3番大教室
    (https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_07_j.html)
 プログラム:
  第一部:加藤哲平『ヒエロニュムスの聖書翻訳』(教文館2018)
   著者による内容紹介
   コメント:戸田 聡 (北海道大学准教授)
        飯郷 友康 (東京大学非常勤講師)
  第二部:大澤耕史 『金の子牛像事件の解釈史』(教文館2018)
   著者による内容紹介
   コメント:武藤 慎一 (大東文化大学教授)
        阿部 望 (獨協大学非常勤講師)
  第三部:全体討論
   科研プロジェクトからのレスポンス(リンク先はPDF原稿)
   志田 雅宏 (日本学術振興会特別研究員(PD))
   全体討論

  (※各部の間に10分程度の休憩を挟みます。)

【著者略歴】
■加藤哲平:
 1984年生まれ。2013年同志社大学大学院博士後期課程退学。同年よりHebew Union College大学院博士課程。M.Phil. in Jewish Studies (Hebrew Union College,
2017)、神学博士(同志社大学、2017)。エルサレム・ヘブライ大学ロスバーグ国際校客員研究員、Xavier University(Cincinanati, OH)人文科学部非常勤講師を経て、現在、日本学術振興会特別研究員(PD)・同志社大学神学部嘱託講師。
 主要論文に”Jerome's Understanding of Old Testament Quotations in the New Testament," Vigiliae Christianae 67 (2013): 289-315; "Greek or Hebrew? Augustine and Jerome on Biblical Translation," in Studia Patristica 98: St Augustine and His Opponents, ed. Markus Vinzent (Leuven: Peeters, 2017), 109-19. 等。
■大澤耕史
 1984年埼玉県生まれ。2013年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。人間・環境学博士(京都大学、2016)。エルサレム・ヘブライ大学ロスバーグ国際校客員研究員、日本学術振興会特別研究員、同海外特別研究員を経て、現在、中京大学国際教養学部助教。
 主要論文に“The Interpretations of the Golden Calf Story in Exodus 32 and a
New Possibility: A Comparison of Judaism with Syriac Christianity,” Proceedings of the 8th CISMOR Conference of Jewish Studies (2015), 86-94;”Jannes and Jambres: The Role and Meaning of Their Traditions in Judaism,” Frankfurter Judaistische Beitraege, vol. 37 (2012), pp. 55-73等。



2018年5月18日金曜日

講演会「ユダヤ啓蒙思想とメンデルスゾーン」(S・ファイナー、M・ゴットリープ)

「ユダヤ啓蒙思想とメンデルスゾーン」
―シュムエル・ファイナー氏、ミヒァ・ゴットリープ氏講演会 

「ユダヤ啓蒙思想とメンデルスゾーン」をテーマに、シュムエル・ファイナー氏(バルイラン大学教授、エルサレム・レオベック研究所所長)とミヒャ・ゴットリープ氏(ニューヨーク大学准教授)を招いて、下記の講演会を開催します。ファイナー氏はハスカラー研究で世界的に著名な学者であり、ゴットリープ氏はモーゼス・メンデルスゾーンや近代ユダヤ思想に関する中堅世代を代表する研究者です。皆さまのご来場をお待ちしております。

東京講演会 
日時:2018年7月1日(日) 13時30分~16時50分  
会場:東京大学(本郷キャンパス) 文学部3番大教室(国際学術総合研究練)
※赤門の近くの建物になります。

ファイナー氏講演
「ユダヤの伝統への挑戦 -18世紀ヨーロッパにおける楽しみ、文化変容、世俗化」Shmuel Feiner
Challenging Jewish Tradition: Pleasures, Acculturation and Secularization in 18th Century Europe
コメンテーター:向井直己(京都大学)

ゴットリープ氏講演
「モーゼス・メンデルスゾーンの現代性 ―マイノリティにとっての教訓」
Michah Gottlieb
Moses Mendelssohn Today: Lessons for Minorities
コメンテーター:市川裕(東京大学)

司会:後藤正英(佐賀大学) 通訳:ギブソン松井佳子(神田外語大)


京都講演会
日時:2018年7月8日(日) 13時30分~16時50分 
会場:同志社大学(烏丸キャンパス) 志高館1階SK118
※ 今出川キャンパスから今出川通沿いに少し北上したところにあります。

ゴットリープ氏講演
「モーゼス・メンデルスゾーン ―神話、歴史、宗教的寛容を求めるユダヤ教徒の闘い」
Shmuel Feiner
Moses Mendelssohn: The Myth, the History, and the Jewish Battle for Religious Tolerance  
コメンテーター:後藤正英(佐賀大学)

ゴットリープ氏講演
ドイツのユダヤ哲学が辿った二つの道:モーゼス・メンデルスゾーンとフランツ・ローゼンツヴァイク
Michah Gottlieb
Two Paths of German Jewish Philosophy: Moses Mendelssohn and Franz Rosenzweig
コメンテーター:細見和之(京都大学)

司会:小野文生(同志社大学) 通訳:ギブソン松井佳子(神田外語大)


使用言語は英語、講演原稿は日本語訳を配布、質疑応答は通訳が付きます。

主催:科研費・基盤研究(C)「モデレート啓蒙主義の再考―メンデルスゾーンにおける啓蒙と宗教の両立可能性」(代表者:後藤正英)
共催(東京講演会);東京大学人文社会系研究科 市川裕研究室、日本ユダヤ学会
共催(京都講演会):京都ユダヤ思想学会


2018年5月7日月曜日

宗教史学研究所第67回研究会

宗教史学研究所
第67回研究会

日時:2018年6月30日(土) 13:00-18:00
場所:東洋英和女学院大学大学院201教室

12:30 受付開始

13:00-14:30 発表1 細田あや子(新潟大学)
「メソポタミアの儀礼で用いられる小像」
<概要> 文献資料と考古学資料から、前 1 千年紀、新アッシリア時代の王の宮殿や個人住宅の基礎部分に神や動物などの小像が埋められていたことが知られている。それらは建物の入り口や門の下に埋められており、なかには「悪よ、退け」「福よ、来たれ」といった文言が刻まれているものがある。このようなことからこれらの小像は、外部からの悪、疾病、敵などが室内に侵入しないようにする防御の意味や、家内安全を祈願する働きをもっていたと考えられる。これらの小像は、アーシプという職能者により、粘土やタマリスクの木などを用いて作られた。メソポタミアにおいて、アーシプの機能は儀礼の執行や病気治しなどさまざまな分野に及ぶ。そのアーシプの働きの一つとして、本発表では、アミュレット(護符)の制作とそれに関する儀礼を取り上げる。アーシプが制作した像がいかにして、人間から悪や疾患を遠ざけ、家の安泰を導く役目を持っていたか、建築内部と外部との境界をどのように仕切っていたのか、儀礼のコンテクストに着目して考察する。神々や、犬や蛇の動物、あるいは混成動物などの Mischwesen をかたどった小像の種類や分類にも注目する。

14:30-14:40 休憩

14:40-16:10 発表2 宮嶋 俊一(北海道大学)
「現代における物的宗教論をめぐって」
<概要> 宗教の物質性に着目した研究が盛んである。マシュー・エンゲルケはその論考において「あらゆる宗教は物質宗教である。あらゆる宗教は、物質性を伴った媒介(メディア)との関連において理解されなければならない。そこには必然的に、宗教的な事物、行為、言語の考察が含まれるが、それらはあっという間に視界や音声から消え去り、雲散霧消するとしても、やはり物質的であるのだ」と述べている。また、ブリュノ・ラトゥールは、物神崇拝について次のように論じている。近代人は物神崇拝(フェティシズム)を批判してきたが、それは被製作性(人間性、内在性)と聖性(神性、超越性)が矛盾すると考えられてきたからだ。しかし、製作と超越は矛盾しないし、近代人もまた超越的なものを大量に製作しているのだ、と。古典的な宗教現象学もやはり事物の宗教性に着目してきた。物質の持つ宗教性をエリアーデは聖と俗の弁証法という形で説明し、ハイラーは同心円的方法においてそれを宗教の対象世界と呼んだ。本発表ではそうした古典的な宗教現象学の成果と今日の物質宗教論を比較し、その意義や可能性について考察を加えたい。

16:10-16:20 参加者自己紹介

16:20-16:30 休憩

16:30-18:00 発表3 林 淳(愛知学院大学)
「近代仏教史における「媒介者」―仏教的知識人の登場―」
<概要> 21世紀になり、近代仏教の研究が、一つのブームになった。近代仏教をテーマにした書籍や論文が多く出されて、近代仏教にかかわるシンポジウムやパネルが、日本宗教学会などで目立つようになった。本発表は、そうした成果をふまえ、近代仏教を総体的に理解することを試みたい。私は「仏教的知識人」という用語を造語し、近代以前の仏教と近代以後の仏教の相違点を論じたいと考える。それでは、仏教的知識人とは誰か。前近代では、僧侶は、書籍を読み、文字を書くことができる知識人層であった。彼らの知識の源泉は、漢文で書かれた経論や漢籍にあった。近代の仏教的知識人は、浄土真宗の寺院に生まれたり、一度は出家したりしながらも、僧侶の伝統的な生き方を選択せず、西洋の言語や学術を修得し、教育、学術、言論などの分野で活躍した。彼らは、僧侶とは異なる方法で仏教を語ることができた。彼らの特徴は、政治、教育、言論などの諸領域と仏教界との「媒介者」であったところにある。近代仏教史は、こうした媒介的な知識人を必要としていたと見ることはできる。