市川裕
『ユダヤ的叡智の系譜―タルムード文化論序説』
東京大学出版会、2022年
目次
序 信仰に徹することと啓蒙ということ
第I部 ラビ・ユダヤ教の成立とタルムード学の形成
1章 宗教と教育――タルムード学の意義と批判精神の育成
2章 一神教と〈戒〉――ユダヤ教的特徴
3章 神殿供犠から啓示法へ――ユダヤ・アイデンティティの確立
4章 タルムードの聖書解釈に込められたユダヤ賢者の実存的関心
5章 タルムード学の系譜――中世の学問的成熟
第II部 タルムード学の成立とユダヤ的生活様式の実現
6章 タルムードのテキストを読む――子に対する親の義務
7章 貧しさの中の感謝――ユダヤ教の食と祭礼
8章 ユダヤ教の経済観念――正しい道理の富
9章 ユダヤ教の霊魂観――人間としての完成と戒律
10章 悔い改めと和解――他者に対する罪の赦し
第III部 近代タルムード学とユダヤ・アイデンティティの葛藤
11章 レヴィナスとリトアニアのタルムード学の意義
12章 ギリシアとの相克としてのユダヤ教史
13章 ユダヤ教正統主義におけるコスモスとアンチコスモス
14章 ユダヤ教正統主義から考える現代の国家・宗教関係
15章 ユダヤ教の現代メシア論――ショーレムとレヴィナスの対話
16章 リトアニア系イェシヴァの精神を体現した四人の現代タルムード賢者
結語――ユダヤ人の歴史を貫くもの