2015年12月4日金曜日

山本伸一『総説 カバラー』

山本伸一『総説 カバラー  ユダヤ教神秘主義の真相と歴史』
原書房 2015年

目次・構成

はじめに
凡例


第一部 カバラーの歴史
第1章 古代ユダヤ神秘思想
 ユダヤ教の神秘思想はいつ生まれたか?
 メルカヴァー神秘主義:神の玉座と宮殿の幻視
 『形成の書』ヘブライ語の文字と数字の秘密

第2章 カバラーの黎明期
 新しい神秘主義が芽生えた思想的土壌
 フランス南部の秘教の学塾
 『清明の書』とカバラー文学の源流
 スペインの黄金期
 カバラーの聖典『光輝の書』
 放浪の神秘家、アブラハム・アブーラフイア

第3章 スペイン追放によるカバラーの多様化
 カバラーの拡散と多様化
 ツフアツトで迎えた第二の黄金時代
 北アフリカのカバラー
 ルネサンス人文主義とイタリアのカバラー
 キリスト教カバラー

第4章 カバラーの新たな展開
 シャブタイ派のカバラーとメシア論
 隠れシャブタイ派をめぐる論争
 カトリックに改宗したフランク派
 ルーリア派の伝統とエルサレムのカバラー
 初期ハシディズムと大衆化されたカバラー
 反ハシディズムのカバリストたち
 ルーリア派の教えを守ったクラウスの伝統

第5章 現代におけるカバラーの普及と拡散
 ハシディズムの新しい展開
 世俗のユダヤ人へと聞かれたカバラーの扉
 ユダヤ人のニューエイジから聞かれたカバラーへ
 現代イスラエルの伝統的なカバラー
 カバラー研究における学問知の内在化
 カバラー研究の系譜
 日本におけるカバラーの紹介

第二部 カバラーの思想
第6章 セフィロート体系
 唯一神のなかの複数性
 人間の認識を超越する「無限」の神
 知覚可能な神としてのセフィロート体系
 両性具有と女性としての神の臨在
 セフィロートという概念の由来と意味

第7章 世界の創造と神の身体
 秘教になった創造論
 神の身体と擬人表現
 『光輝の書』の創造論と神人同形論
 ルーリア派の創造論と神人同形論

第8章 終末論とメシアニズム
 ユダヤ教のメシアニズム
 『光輝の書』と記号論的なメシア
 アブラハム・アブーラフィアにおける預言者としてのメシア
 シャブタイ派のカバラーと善悪を超越するメシア
 ハシディズムのメシア観

第9章世界周期論
 循環する時間と原初の時間
 世界周期論とパラダイムの相対化
 へブライ文字とセフィロートとの関係
 イスマーイール派とシャブタイ派における反規範主義

第10章 霊魂転生論
 異教的な霊魂転生とその秘教性
 初期のカバラーの霊魂観
 ハイム・ヴィタルの霊魂の系譜と修復
 強制改宗者の霊魂をめぐる議論

第11章 律法と戒律
 ラビ・ユダヤ教と律法の二重構造
 口伝律法としてのカバラーと解釈の深層
 二つの律法と律法の相対化
 モーセ律法の廃絶とシャブタイ派の反規範主義

第12章 ヘブライ語とヘブライ文字
 ユダヤ教とへブライ語
 ヘブライ文字の神秘主義
 子音と母音
 ゲマトリアによる隠れた結びつきの発見

第13章 呪術とテウルギア
 呪術をめぐるあいまいな態度
 神の世界を修復するテウルギア
 呪術と護符
 ユダヤ教以外の呪術書への影響

第14章 預言と啓示
 神の啓示を伝える預言者
 アブラハム・アブーラフィアの預言カバラー
 ヨセフ・カロのマギード体験
 ハイム・ヴィタルの交霊術
 預言者運動としての初期シャブタイ派

おわりに
用語解説
参考文献
索引

http://www.harashobo.co.jp/new/shinkan.cgi?mode=1&isbn=05196-0