2022年9月27日火曜日

日本ユダヤ学会第19回学術大会

 日本ユダヤ学会第19回学術大会

日時:2022年10月30日(日) 13:00~16:25
形態:オンライン(URLは会員に送付済み)

13:00~13:05 開会の挨拶(市川理事長)

13:05~13:35  平田文子(埼玉工業大学)
「Joseph Simon の教育観:フランス第三共和政下のユダヤ史の取扱いを踏まえて」

フランス第三共和政下の世俗学校計画においては、「ユダヤ史」(聖書の「聖なる歴史」)を教育課程に入れるか否かは難しい問題であった。当時の初等教育局長のビュイッソンは、フランス国民の共通の記憶としての「聖なる歴史」の重要性を主張し、ユダヤ史を特別な宗教的後光や選民思想を取り除いた歴史的史実として子どもたちに教えることを提案していた。本発表においては、当時のユダヤ史の取り扱いに関するビュイッソンの施策を踏まえて19世紀に活躍したラビ・ジョゼフ・シモンのユダヤ教育史について、述べる。
(司会:市川裕)
13:35~13:50 質疑応答

13:50~14:20  田村円(共立女子大学(兼任講師))
「ドイツ=ユダヤ共生をめぐるホロコースト後の議論――アルゲマイネ紙(在独ユダヤ人一般週刊新聞)における戦後初期の言論を中心に――」

本報告は「ドイツ=ユダヤ共生」をめぐって、ホロコースト後のユダヤ人世界ではいかなる議論が行われたのか、その当事者であるドイツ・ユダヤ人の戦後初期の言論に着目し、考察するものである。その際、ドイツに留まった者だけでなく、世界各国に在住するドイツ出身のユダヤ人が寄稿したアルゲマイネ紙に掲載された、解放以後のドイツ=ユダヤ共生に関する論説や記事を中心に取り上げる。
(司会:鶴見太郎)
14:20~14:35 質疑応答

14:35~14:50 休憩

14:50~15:20 石井田恵 (同志社大学大学院)
「メシアニック・ジュダイズムの歴史的展開と意義ーーキリスト教シオニズムとの関係を手掛かりに」

メシアニック・ジュダイズム研究は、世界的に見れば一定の蓄積があるが、運動の歴史を体系的に扱った研究の数は限られる。メシアニック・ジュダイズムがキリスト教シオニズムから受けた影響については、これまでも指摘されてきた。一方で、メシアニック・ジューが近年、キリスト教シオニストに与えている影響はあまり注目されていない。本発表では同運動の意義について、キリスト教シオニズムとの関係に注目して運動の歴史を俯瞰することで、明らかにしたい。
(司会:アダ・タガー・コヘン)
15:20~15:35 質疑応答

15:35-16:05  菅野和也ソロモン(京都大学大学院)
「現代カライ派ユダヤ教の実態:エルサレム、ラムレ、カイロでの現地調査に基づいて」

本発表は、2022年夏季にエルサレムとラムレのカライ派共同体、およびカイロのユダヤ地区で行った現地調査に基づき、カライ派ユダヤ教について考察する。カライ派研究においては、中世に書かれた書物の文献研究が主な手法である。そこで本報告では、8世紀のバビロニアに始まり、現代にまで続く宗派として検討することで、現代カライ派の視点から、カライ派とは何であるのか、ラビ派との違いはどこにあるのかを探求する。本発表では写真や動画を用いながら、その実態を具体的に提示したい。
(司会:志田雅宏)
16:05~16:20 質疑応答

16:20~16:25 閉会の挨拶(市川理事長)

日本ユダヤ学会ウェブサイト
https://jewishstudiesjp.org/2022/09/27/conference2022/