2020年10月21日水曜日

日本ユダヤ学会第17回学術大会開催(オンライン)

 日本ユダヤ学会第17回学術大会
日時:2020年11月15日(日)13:20~17:00
会場:zoomによるオンライン開催

第17回学術大会プログラム
13:20~13:30 学術大会開催のあいさつ (学会理事長:市川裕)


13:30~14:00 菅野和也ソロモン(京都大学大学院)
「ユダヤ・アラビア語形成期におけるカライ派の役割: サロモン・ベン・イェロハムによる詩篇翻訳および註解から」

概要:ユダヤ・アラビア語文化の様相を語るうえでカライ派の存在は欠かせない。ヘブライ語原典を重んじた同派は9世紀後半から11世期中頃にかけてパレスチナで活動した。ラバン派ユダヤ教との論争のなかで、彼らはヘブライ語の研究だけでなく、アラビア語による翻訳と註解に注力し、ユダヤ・アラビア語文学の確立に寄与している。本発表は、サアディア・ガオンと同時代のサロモン・B・イェロハムによる詩篇翻訳と註解を通して、ユダヤ・アラビア語の形成期におけるカライ派の役割を考察する。

14:00~14:15 質疑応答


14:15~14:45 平田文子(埼玉工業大学)
「第三共和制の世俗学校計画とデュルケームのユダヤ教思想:世俗性と宗教性の狭間で」

概要:フランス社会学の祖とされるエミール・デュルケームは、フランスの公教育制度成立期に世俗道徳論を確立した人物である。そのため彼の道徳教育論は長い間、「宗教に依らない道徳論」として紹介されてきた。しかし、私は、彼の著作の殆どがユダヤ教思想を基盤としていると考えている。特にユダヤ教に見られる現実主義的・世俗主義的な宗教観が、政教分離による公教育制度成立を目指す第三共和制の施策と一致して、デュルケームが「世俗道徳論」を確立する役に選ばれたと考えている。本発表ではユダヤ教を棄てたと論じられてきたデュルケームが、実はプライベートにおいてはユダヤ教徒として生きぬいた証となる資料を提示し、彼の世俗道徳論が第三共和制の教育改革を担ったルイ・リアールやフェルディナンド・ビュイッソンの思想と一致した社会的・思想的背景を述べる。

14:45~15:00 質疑応答


15:00~15:10 休憩

特別報告 現在のヨーロッパ社会(ポーランドとドイツ)とユダヤ人 
15:10~15:15 司会・問題提起(鶴見太郎、東京大学)

15:15~15:55 宮崎悠(北海道教育大学)
「国民民主党の反ユダヤ主義は共有されていたのか:I.J.パデレフスキの思想からの検討」

15:55~16:30 大内宏一(早稲田大学)
「ドイツのユダヤ教徒組織の現在──ウェブ情報に基づいて」

16:30~17:00 自由討論

申込方法は日本ユダヤ学会ホームページ参照のこと
https://jewishstudiesjp.org/2020/10/20/conference2020/