日本ユダヤ学会
7月研究例会
2019年7月27日(土)15時~18時
学習院女子大学 2号館 235教室
(東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩8分、副都心線西早稲田駅から徒歩3分)
報告者
鈴木重周
論題
「ナントのシュウォブ家にみる第三共和政期のユダヤ系フランス人」
概要
国家と宗教とのせめぎ合いのなかで共和主義が覇権を握った第三共和政期(1870-1940)のフランスにおいて、ユダヤ人とはどのような存在だったのか。本報告では、象徴派作家として知られるマルセル・シュウォブ(1867-1905)とその家族を取り上げる。戦争によってアルザスの故郷を追われ、たどり着いたナントで新聞事業を起こした父ジョルジュ、父の事業をさらに発展させナントで地位を築きながらもドレフュス事件の渦に巻き込まれた兄モーリス、その娘でシュルレアリスト写真家として知られる姪リュシー、パリで東洋学者として活動した叔父レオン・カーアン。かれら「ナントのシュウォブ家」の人々に着目することで、普仏戦争から第二次大戦までの激動の時代を生き抜いたユダヤ系フランス人のひとつのあり方を明らかにする。