2021年10月29日金曜日

日本ゲニザ学会「ゲニザ入門講義」

 日本ゲニザ学会

「ゲニザ入門講義」

<日本人研究者によるゲニザ研究の概要の紹介>

11月7日(日)15:00~17:00
オンラインにより実施

● 題目:カイロ・ゲニザ文書と中世地中海世界のユダヤ教文化

  章立て
  1.文書の発見とその意義の「発見」
  2 「Giblews」以前のカイロ・ゲニザ文書収集小史
  3.さまざまな研究:中世地中海世界のユダヤ教文化の諸相
  4.おわりに

  講演者:志田雅宏(東京大学大学院人文社会系研究科専任講師)

●ゲニザを用いた各研究分野の概要とその基本文献の紹介

●ユダヤ・アラビア語(Judaeo-Arabic)テキストの読解法(初級)
 <初級では、ヘブライ語の知識は必要ありません>

  講演者:嶋田英晴(同志社大学一神教学際研究センター共同研究員)

詳細および申し込み方法は日本ゲニザ学会トップページに記載

https://sites.google.com/view/jsgs

2021年10月15日金曜日

Polemical and Exegetical Polarities in Medieval Jewish Cultures Studies: in Honour of Daniel J. Lasker

Polemical and Exegetical Polarities in Medieval Jewish Cultures

in Honour of Daniel J. Lasker

Edited by: Ehud Krinis, Nabih Bashir, Sara Offenberg and Shalom Sadik

De Gruyter, 2021

Table of Contens:

Frontmatter I
Acknowledgement VII
Contents IX

I ON DANIEL J. LASKER AND HIS SCHOLARSHIP

Prof. Daniel J. Lasker – Scholar, Teacher, and Friend
Howard Kreisel 1

Daniel J. Lasker and His Treatment of Jewish Polemics
Shalom Sadik 9

List of Publications
Daniel J. Lasker 19

II JEWISH POLEMICS AND EXEGESIS IN THE ISLAMICATE WORLD

Polemical Logic: Al-Muqammaṣ’s Refutation of Christianity
Sarah Stroumsa 37

The Role of Gog in Daniel al-Qūmisī’s Eschatology
Barry Dov Walfish and Meira Polliack 59

Theological Consideration of the Gift of the Land and the Radical Treatment of the “Seven Nations” in Medieval Judeo-Arabic Exegesis
Haggai Ben-Shammai 77

Epistemology in the Service of Polemic: Yūsuf al-Baṣīr’s Kitāb al-Istiʿānah: Text and Translation
David Sklare 97

Maimonides on the Status of Judaism
Matanel Bareli and Menachem Kellner 135

Abraham Maimonides on Reclaiming Judaism’s Lost “Perfection” from the “Imperfection” of Islam
Mordechai Akiva Friedman 165

III JEWISH AND ANTI-JEWISH POLEMIC AND EXEGESIS IN THE CHRISTIAN WORLD

Abraham bar Ḥiyya (d. ca. 1136) on “The Pure Soul”
Ehud Krinis 201

Asmakhtaʾ and Abraham ibn Ezra’s Exegesis
Martin Lockshin 229

The Finding of the “True Cross” in Judah Hadassi’s Eškol ha-Kofer and the Polemical Parody Toledot Yešu
Miriam Goldstein 251

The Book of Nestor the Priest and the Toledot Yešu in the Polemics of Abner of Burgos/Alfonso of Valladolid
Ryan Szpiech 269

Rashi on Isaiah 53: Exegetical Judgment or Response to the Crusade?
David Berger 301

“The Best of Snakes. . .”: A Polemical Midrash in the Rashi Supercommentary Tradition
Eric Lawee 317

The Discussion of the Messiah in Crescas’s Refutation
Warren Zev Harvey 347

Joshua Ha-Lorki on the Meaning of Emunah: Between Religion and Faith
Yosi Yisraeli 363

Jewish Anti-Semites: The Case of Medieval Apostates
Shalom Sadik 383

Daniel in the Lions’ Den: Jewish-Christian Polemics in Medieval Text and Image
Sara Offenberg 413

IV JEWISH-JEWISH AND JEWISH-CHRISTIAN RELATIONS

Understanding the Uneven Reception of Rabbenu Tam’s Taqqanot
Ephraim Kanarfogel 437

Ritual Imagery Gone Wrong: A Fifteenth-Century Siddur in a Christian Workshop
Katrin Kogman-Appel 467

Transliteration Charts 507
Index of Names 509

2021年10月1日金曜日

日本ユダヤ学会第18回学術大会

日本ユダヤ学会第18回学術大会

プログラム

日時:2021年10月31日(日)13:00~16:10
会場:zoomあるいは学習院女子大学

13:00~13:05 開会の挨拶(市川理事長)

13:05~13:35 長塚織人(東京大学大学院総合文化研究科)
「現代におけるユダヤスペイン語(ラディーノ語)の言語および文献研究の展望とその可能性(の中心)——「言語の死」を越えるデジタル・コミュニティの形成を目指して」

本発表は近現代までのユダヤスペイン語(ラディーノ語/ジュデズモ語)の言語学的・文献学的な展望と、その新たな可能性について考察する。ユダヤスペイン語は様々な理由から研究に困難を抱え、話者の言語的同化傾向も強く、「言語の死」の一例となると言われてきた。しかし近年インターネットの発達とデジタルアーカイブ化を通じ、その研究・文化活動が本格化している。本発表はユダヤスペイン語の特徴とセファルディの現況についても概観し、その研究に関する問題を提起し、更なる可能性に向けて考察を行いたい。(司会:武井彩佳)

13:35~13:50 質疑応答

13:50~14:20 保井啓志(東京大学大学院総合文化研究科)
「シオニズムにおける動物性と動物の形象:マックス・ノルダウの近代化論を中心に」

西ヨーロッパの反ユダヤ主義においては、ユダヤ人は、蛇や害虫など、しばしば非人間の動物と喩えられてきたが、シオニズムにおいてこのような動物の表象とユダヤ人の交差性はいかに克服されるものとして位置付けられていたのだろうか。本報告では、初期のシオニストの一人であるマックス・ノルダウやショアーにおける言説を取り上げ、動物性及び動物の形象が、いかにシオニズムを正当化する比喩として用いられてきたかの歴史的変遷について考察する。(司会:鶴見太郎)

14:20~14:35 質疑応答

14:35~14:40 休憩

14:40~15:10 犬塚悠太(東京大学大学院人文社会系研究科)
「エリ・サダンの思想:現代の宗教シオニズムとその特徴」

本発表は「メヒナ」(イスラエル国において兵役前の青年教育を行う教育機関)を設立したエリ・サダンに注目し、彼の思想の特徴を示すものである。彼を取り上げる理由は、「メヒナ」の卒業生の多くがイスラエル国防軍の将校になっていること(社会的影響力の強さ)、加えて彼が「宗教シオニズムの父」とされるアブラハム・クックにより設立された「メルカズ・ハラヴ・イェシヴァ」において学んだこと(宗教シオニズムの思想系譜に連なる)が挙げられる。彼の思想が宗教シオニズムの系譜の中にいかに位置づけられるか、あるいは軍隊や国家といったアクターをどのように捉えているのかという点を軸に、現代の宗教シオニズム思想の特徴を明らかにする。(司会:志田雅宏)

15:10~15:25 質疑応答

15:25-15:55 河合竜太 (同志社大学大学院文学研究科博士後期課程)
「ユダヤ体操連盟(1903-1921)の創設と展開――トランスナショナルな側面に注目して―」

19 世紀後半以降、ヨーロッパではユダヤ系団体の国際的組織網の形成が進展した。国際 的な組織としては、これまでユダヤ人難民の支援を目的とした慈善組織が注目されてきた。 それに対して本報告は、20 世紀初頭に創設された国際組織ユダヤ体操連盟を対象とする。 体操とスポーツの普及を目的とした当連盟は、中欧・東欧諸国において居住者の身体の健康 の改善を目的としていた。当連盟の事例は、同化と解放後のヨーロッパ社会に居住したユダヤ人の間で形成される国境を越えた連帯について、理解を深めることに貢献するであろう。(司会:高尾千津子)

15:55~16:10 質疑応答

日本ユダヤ学会ウェブサイト
https://jewishstudiesjp.org/2021/10/01/conference2021/