2019年1月24日木曜日

市川裕『ユダヤ人とユダヤ教』

市川裕『ユダヤ人とユダヤ教』
岩波新書、2019年

目次
序 章 ユダヤ人とは誰か
 ポーランドにて/「真正のユダヤ人」

第1章 歴史から見る

第1節 古代のユダヤ人たち
 イエスの出現をどう捉えるか/賢者輩出の時代/啓示法の宗教

第2節 イスラム世界からヨーロッパへ
 忘れられた歴史を補う/イスラムとともに/啓典の民/地中海社会での繁栄/アルプスを越えて/スファラディとアシュケナジ/レコンキスタとスペイン追放/新キリスト教徒の再改宗/安住の地ポーランド/シュテットルの生活

第3節 国民国家のなかで
 メンデルスゾーン/フランス革命の衝撃/われわれは何者か?/ポグロムの恐怖/アウシュヴィッツへ/世界帝国の興亡とユダヤ人/「ユダヤ人」という選択肢

第2章 信仰から見る

第1節 ラビ・ユダヤ教
 ユダヤ教は宗教なのか/ユダイズムとユダヤ教/ユダイズムとは何か/持ち運びのできる国家/二重のトーラー/ラビたちの決断

第2節 ユダヤ教の根本原則
 トーラーに従って生きる/神殿の供犠/シナゴーグの礼拝/シュマアの朗読/十八祈禱文,十戒,六一三戒

第3節 神の時間秩序
 安息日/一年のサイクル/一生のサイクル/祈りの生活/制度化された断食

第4節 「宗教」としてのユダヤ教
 東欧における神秘主義の浸透/近代のユダヤ教再定義/世俗化したユダヤ人と民族主義/二つの定義・三つの集団

第3章 学問から見る

第1節 タルムードの学問
 トーラーの学習/イェシヴァ/タルムードの普及/タルムードのテキスト

第2節 論争と対話
 師匠への奉仕/モーセに基づかせる/矛盾をぶつけることの真意/ラビたちの議論

第3節 ユダヤ哲学
 ギリシア哲学による挑戦/イスラム世界のギリシア哲学/哲学者マイモニデス/律法典の形成/『シュルハン・アルーフ』による統合

第4節 ユダヤ精神の探究
 東欧の肥沃な精神世界/ヴォロジンのイェシヴァ/エリ・ヴィーゼルと二人の師/学ぶことは生きること/正真正銘のラビとの出会い/世俗教育との両立

第4章 社会から見る

第1節 ユダヤ人の経済活動
 商業と金融の民/利子取得の正当化/マルクスの主張/利子取得の二重基準/ロスチャイルド家

第2節 ユダヤ人の人生の目標
 神に選ばれた民/ノアの七戒と十の心得/慈善と慈しみの行い/施しの八段階

第3節 近代メシア論
 二つのメシア論/シオニズム/離散ユダヤ人は捕囚民か/ユダヤ的百家争鳴

第4節 ユダヤ社会の現実
 ヘブライ語の蘇生/混合婚をめぐる議論/二極分化するユダヤ社会/イスラエル社会の現実/イスラエル国家のゆくえ/棄民の視点から

文献解題
 歴史について/ユダヤ教について/ユダヤの宗教思想について/ユダヤ思想史について/トーラー註解について/タルムードについて/ユダヤ百科事典『ジュダイカ』

あとがき

2019年1月21日月曜日

トークイベント「いま宗教に向きあう」

トークイベント「いま宗教に向きあう」

日時:2019年2月17日(日) 10時~12時(受付9時30分~)
会場:上智大学2号館17階 2-1701室
参加無料・要申し込み

2018年に岩波書店より刊行された『いま宗教に向きあう』シリーズ全4巻をテキストに、現代の宗教と社会を、国内・世界の両面から幅広く考えます

登壇者:島薗進(上智大学)、ゲスト1:渡邊直樹(大正大学)、ゲスト2:中村圭志、
池澤優・藤原聖子・堀江宗正・西村明(以上は編者、東京大学)
榎本香織・佐藤清子(執筆者)
司 会:葛西賢太(上智大学)
定 員:120名

申込方法:①WEBからのエントリーとなるので、以下のURLにアクセスしてください。
https://eipo.jp/griefcare/
②画面右上の「申し込み方法」で、予約の手順を確認の上、入力してください。
③申し込みが完了すると、自動返信メールにて「申込完了メール」が届きます。
※1つのメールアドレスで複数人の申込はできませんのでご注意ください。
申込期間:2019年1月23日~2月14日 ※ただし定員に達し次第締切り

※午後は隣の1702室で国際宗教研究所およびグリーフケア研究所主催の公開シンポジウム「支え合う、はぐくむ、宗教の力」があります。
詳細は、国際宗教研究所HP 
http://www.iisr.jp/

主催:上智大学大学院 実践宗教学研究科、上智大学グリーフケア研究所
後援:岩波書店

2019年1月18日金曜日

公開シンポジウム:宗教的実践知の獲得・伝授と教育

公開シンポジウム
宗教的実践知の獲得・伝授と教育

2019年3月16日(土) 13時ー18時
東京大学本郷キャンパス
国際学術総合研究棟 文学部3番大教室
(*2018年9月30日実施予定だったが、台風のため延期になっていた)

13:00-13:10
趣旨説明 市川裕(東京大学教授)

13:10-13:55
土居由美(東京大学博士研究員)
「古代ギリシャ・ローマ世界における教育とキリスト教—「女性と初期キリスト教」を手掛かりとしてー」

14:05-14:50
上村静(尚絅学院大学教授)
「古代ユダヤ教における学びー聖典制定とその教育ー」

15:10-15:55
中西恭子(東京大学博士研究員)
「古代末期の宗教的実践知としての修徳思想ーキリスト教と女性の場合ー」

16:05-16:50
嶋田英晴(國學院大學非常勤講師)
「中世イスラーム下のユダヤにおける初等教育」

17:00-18:00
質疑応答

予約不要・入場無料・一般来聴者歓迎

2019年1月16日水曜日

研究会「リトアニアにおけるユダヤ・ジェノサイド」;「第二次大戦期、東欧正統派ユダヤ教徒会衆の救出作戦」

研究会

日時:
2019年2月6日15:00-18:00(休憩をはさみます)

会場:
東京大学(本郷) 法文1号館1階115番教室 

講演内容:
ルタ・ヴァナガイテ(作家)
「リトアニアにおけるユダヤ・ジェノサイド」

エフライム・ズーロフ(サイモン・ヴィーゼンタール・センター東欧部長)
「第二次大戦期、東欧正統派ユダヤ教徒会衆の救出作戦」

(いずれも仮題。講演後質疑応答)
* 英語による講演に、菅野賢治とジンベルグ・ヤコフによる通訳がつきます。

司会:
ジンベルグ・ヤコブ国士舘大学教授。
コメンテーター:
沼野充義東大教授; 菅野賢治東京理科大学教授; ジンベルグ・ヤコブ



2019年1月13日日曜日

かわさき市民アカデミー2019年度講座:ユダヤ人、ユダヤ教、イスラエル(第1部)

NPO法人 かわさき市民アカデミー
2019年度前期講座
エクセレントIII
ユダヤ人、ユダヤ教、イスラエル(第1部)

【定員】144名
【受講料(税込)】
2年会員 9,240円  
1年会員 10,320 円  
聴講生 13,560 円  
(資料代600円を含みます。)

【時間】
毎回13時00分~14時30分(計12回)

【会場】
川崎市生涯学習プラザ

【概要】
かつて、「流浪の民」、「離散の民」と言われたユダヤ人は、現在イスラエルという国を作って、600万人もの人口を擁するまでに拡大しました。しかし現在でも世界にはそれ以上のユダヤ人が住んでいます。彼らは、2000年も昔に祖国を追われながら民族の絆を守り続けてきました。その秘密はどこにあるのでしょう。教育に秀でて、交易と金融に力を発揮してきたユダヤ人の生き残りの秘密を、彼らの歴史を通して学んでいきましょう。それは、世界史を見通すことでもあります。

①4/8(月)
序論 ―「ユダヤ人」とは誰のことか―
東京大学教授 市川 裕

②4/15(月)
旧約聖書の世界(1) ― 「旧約聖書」とはどのような書物か―
立教大学准教授 長谷川 修一

③4/22(月)
旧約聖書の世界(2)― ヘブライ人の世界像、歴史観、メシアニズム―
立教大学准教授 長谷川 修一

④5/6(月)
アレクサンドロス大王からローマ帝国へ:イエス時代のユダヤ世界
東京大学教授 市川 裕

⑤5/13(月)
「ユダヤ教」とはどのような宗教か: キリスト教と異なる道を歩んだユダヤ教
東京大学教授 市川 裕

⑥5/20(月)
イスラーム世界の形成とユダヤ人の繁栄:地中海とインド洋交易
國學院大学講師 嶋田 英晴

⑦5/27(月)
中世キリスト教世界のユダヤ人:共生と対抗
東京工科大学講師 志田 雅宏

⑧6/10(月)
「ヴェニスの商人」の舞台とその周辺:ルネサンス時代のユダヤ人
東京工科大学講師 志田 雅宏

⑨6/17(月)
オスマン帝国 のユダヤ人とユダヤ神秘主義:ユダヤ社会の変容
東京理科大学講師 山本 伸一

⑩6/24(月)
近代西欧社会へ参入するユダヤ人:ドイツ・ユダヤ人が見た光と影
東京大学大学院博士課程 青木 良華

⑪7/1(月)
近代東欧のユダヤ人:「屋根の上のバイオリン弾き」にみるイディッシュ文学の世界
東京外国語大学講師 鴨志田 聡子

⑫7/8(月)
ユダヤ人、アメリカに渡る:アメリカ移民の20世紀
東京大学准教授 鶴見 太郎

かわさき市民アカデミーホームページ(トップページ)
http://npoacademy.jp/index.html

講座紹介ページ
http://npoacademy.jp/sub2/bosyu19z/bosyu19z2.html#k4

2019年1月4日金曜日

(*1/9更新:会場変更)「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治」2018年度第2回研究会

(注意! 1/9更新:会場変更)
「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治」2018年度第2回研究会

1 日時
2019年1月19日(土曜)14時30分~18時
※開場:14時(14時までは非公開の打ち合わせ)

2 場所(注意! 変更あり!)
東京大学東洋文化研究所 3階 大会議室
(下記に変更)
筑波大学東京キャンパス文京校舎 431会議室
※東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅下車「出口1」徒歩3分程度

3 プログラム
(1)研究報告1
報告題:「愛国・愛教・面子:「剪髪」議論に見る辛亥革命期の華北ムスリム社会」
報告者:海野 典子(日本学術振興会・特別研究員(PD)/中央大学)
概要:本報告は、辛亥革命期の華北ムスリムが展開した辮髪切除に関する議論を分析することによって、愛国・愛教・面子という価値観をめぐるムスリム同士および中国社会との緊張関係を読み解く。

(2)研究報告2
報告題:「コシェル・ミート・ボイコット運動(1902年)再考ー米国ユダヤ人女性アクティヴィズムと変容するJudaism解釈ー」(仮)
報告者:石黑 安里(同志社大学・特任助教)
概要:本報告は1902年にニューヨーク市で起きたコシェル・ミート・ボイコット運動から、公共空間へと活動の場を広げたユダヤ人女性によるアクティヴィズムについて、Judaismの文脈から考察する。

(3)研究報告3
報告題:「戒律なき仏教の規律―近現代日本の場合―」
報告者:碧海 寿広(龍谷大学アジア仏教文化研究センター・博士研究員)
概要:仏教の生活規律である戒律が、日本では歴史的に機能不全である。日本仏教は、代わりに何を規律にしてきたか。近現代を中心に考察する。
※各研究報告の時間は、個別の質疑応答を含めて1時間程度を予定しています。

主催:
文科省科学研究費補助金・基盤研究(B)「現代ムスリム社会における風紀・暴力・統治に関する地域横断的研究」(代表:高尾賢一郎)
共催:
文科省科学研究費補助金・若手研究「近現代イスラームにおける「排除」と知識人に関する研究」(代表:後藤絵美)

日本中東学会HP上の案内(下記リンクより)
http://www.james1985.org/modules/meetings/index.php?content_id=77&fbclid=IwAR2dkbAXaTKy9yXZqyGwWwGJ5p35U-N7APKiU2cZa1CDxISkdNoKL3ePRws#gendai1209