2014年10月30日木曜日

研究会:宗教史研究会

宗教史研究会

2014年12月13日(土)13:00-18:00
東洋英和女学院大学大学院201教室
(港区六本木5-14-40、国際文化会館向かい側)
電話(大学院事務室) 03-3583-4031

12:30 受付開始

13:00-14:30 
発表1 藤本拓也(金光教国際センター)
「金光教における媒介と救済―「生神金光大神」と「取次」をめぐって」
<概要> 
金光教祖金光大神(1814~1883)は、人間の願いを神に届け、神の言葉を人間に伝える「取次」という仕方で救済活動を行っていた。金光大神は5回にわたり神から名を与えられ、最終形として「生神金光大神」に定まるのであるが、金光教では、その過程上に金光大神と神との関わり合いの深化と人間の救済が見られている。さらに、神と人間との相互関係が、教義としても、信仰目標としても前景化しているのであり、ここからして、人間・媒介者・神という関係のなかで、金光教の救済は双方向的な様相を浮かばせてもいる。もちろん、こうした教義体系は、神との交流が記されたテキストから導かれたものである。金光教の教義・教学は、宗教学の成果を多少とも組み込みつつ生成されたのであるが、本発表では、その点も考慮しつつ、媒介と救済との関連を考察したい。

14:30-14:40 休憩
14:40-16:10
発表2 青柳かおる(新潟大学准教授)
「イスラームにおける神との媒介者――預言者とスーフィー」
<概要> 
イスラームにおける霊的存在との媒介者として、まずジン(精霊)に憑かれたマジュヌーンとよばれる呪術師、詩人が挙げられる。また神との媒介者としては、神から啓示を受けた預言者、そして修行によって神との合一という神秘体験をしたスーフィーが挙げられる。本発表では、預言者ムハンマドの啓示体験および昇天体験、スーフィーの神秘体験や修行、さらに神へのとりなしを行うと考えられている聖者や聖者廟参詣について語りたい。

16:10-16:20 参加者自己紹介
16:20-16:30 休憩

16:30-18:00
発表3 池澤優(東京大学教授)
「中国古代宗教における「仲介者」構造とその変化」
 <概要> 
中国の古代宗教は、至上神である「天」の力を地上に媒介する「仲介者」(天子、祖先、宗教者)が最も重要であるような構造となってきた。ただ、「仲介者」は力の源である至上神に対する信仰を前提にする一方で、至上神の代理として地上に君臨するという、二面性を本来的に有していた。本発表では、この二面性が戦国時代に興起する機械論的世界観と結びつくことにより、中国宗教の基本構造を形成していったことを示したい。