2014年12月17日水曜日

ユダヤ・イスラエル研究第28号(2014年12月)

ユダヤ・イスラエル研究
第28号(2014年12月)

目次

論文
穐山洋子「19世紀スイスのユダヤ人:包摂と排除のはざまで」、1-11
Yoko Akiyama, The Jewry of Switzerland in the 19th Century: Between Inclusion and Exclusion

鈴木重周「19世紀末フランスにおける反ユダヤ主義の拡散とジャーナリズム エドゥアール・ドリュモン『ユダヤのフランス』をめぐって」、12-23
Shigechika Suzuki, Journalism and the diffusion of anti-Semitism in the late 19th century France: Edouard Drumont and La France juive

野村真理「ナチ支配下ウィーンのユダヤ人移住におけるウィーン・モデルとゲマインデ」、24-34
Mari Nomura, "Vienna Model" of the Jewish Emigration under the Nazi Regime and Israelitische Kultusgemeinde Wien (Israelite Community of Vienna)

黒田晴之「パウル・ツェラン「死のフーガ」再読のために――ある詩の成立と受容と言説をめぐる問い――」、35-46
Haruyuki Kuroda, Paul Celan's Todesfuge revisited -Genesis, Reception and Discourse-

大岩根安里「1940年代前半におけるHadassahのシオニズム観:その矛盾、限界、ジレンマ――The Committee for the Study of Arab-Jewish Relationsを事例に――」、47-59
Anri Oiwane, Zionist views within Hadassah in the early 1940s: Disparities, Limits, and Dilemmas -A case study of The Committee for the Study of Arab-Jewish Relations-

特別寄稿
村田靖子「スファラディームの失われた時を求めて――Yehoshua『マニの男たち』試論――第二部」、60-72
Yasuko Murata, "bekhipus akhar hazman hasfaradi ha'avud" -A. B. Yehoshua's mar mani- Part II

研究ノート・史料紹介・翻訳
アントニオ・タブッキ『ペレイラは主張する』から始まる考察(牧野素子)、73-81
ロシア語シオニスト誌のなかの矢内原忠雄(鶴見太郎)、82-85
暗闇を超えて ホロコースト生存者の回想、ハロルド・カスィモヴ談、ジャッキー・ハートリング・シュトルツ筆(手島佑郎訳)、86-89

シンポジウム――中近世の環地中海世界とユダヤ人――
趣旨(市川裕)、90
文化移転の政治経済的背景とユダヤ教徒(嶋田英晴)、91-98
セファルディームの種なしパン(蓼沼理絵子)、99-108
地中海世界におけるユダヤ教徒――オスマン帝国を中心に(宮武志郎)、109-119

書評
長田浩彰著『「境界に立つ市民」の誇り』(野村真理)、120-123
森岡真史著『ボリス・ブルツクスの生涯と思想』(高尾千津子)、124-126
ダン・ストーン著(武井彩佳訳)『ホロコースト・スタディーズ』(石田勇治)、127-128

新刊紹介
山田恵子著『ニューエクスプレス古典ヘブライ語(CD付)』(池田潤)、129
鈴木元子著『ソール・ペローと「階級」』(三杉圭子)、130
ヨナタン・メイール編著『想像のハシディズム』Imagined Hasidism/『セフェル・メガレー・テミリーン』Sefer Megale Temirin (in Hebrew)(山本伸一)、131

報告要旨
第10回学術大会報告要旨、132-135

英文要旨、135-139

2014年12月10日水曜日

公開研究会:ユダヤ学説史研究

科学研究費補助金 基盤研究(A)
「ユダヤ学史と原典資料の複合研究」
公開研究会

主催:京都大学勝又研究室

日時:2014年12月21日(日)14:00-17:00
場所:東京大学法文1号館215教室

報告者:嶋田 英晴 (東京大学大学院人文社会系研究科研究員)
発表題目:「ゲニザによる歴史研究――シュロモー・ドヴ・ゴイテインを中心に」

発表要旨:
 今回の発表においては、シュロモー・ドヴ・ゴイテインを基軸に据え、「ゲニザを用いた歴史研究の3人の『父』について」、「ゴイテインの代表作『地中海社会』について」、および「ゲニザ原本について」という三つのテーマを軸にカイロ・ゲニザを用いた中世ユダヤ社会研究の営みについて振り返る。ゴイテインの生活史上の経歴にも触れながら、カイロ・ゲニザに基づく中世ユダヤ社会の研究が中世イスラーム世界の研究に与えたインパクトを振り返り、それが孕む幾つかの問題点を指摘したい。

*参加費不要。